1月20日、名古屋市港防災センターに、本学のメディア情報研究会(情報科学科・鳥居一平准教授)が制作した「南海トラフ災害シミュレーション」が設置されました。この装置は、立体地図に投射するプロジェクションマッピングと、正面の大型ディスプレイを使って、南海トラフ巨大地震が発生した際に愛知県にどのような被害が及ぶのか、被害状況(地震・火災・津波・揺れ)と備えについて分かりやすく表示し、地域住民の防災意識向上に役立てるものです。
この装置は昨年夏に名古屋市港防災センターへ貸し出ししていたところ、名古屋市から正式に装置を設置したいとの要望があったもので、本学の地域防災研究センター長・正木和明都市環境学科教授の協力のもとバージョンアップを重ね、実現しました。
これまで南海トラフ地震による津波の被害についての想定は、静止画で最終的な浸水範囲を表示するのみでしたが、同研究会は、南海トラフの詳細な地殻構造や状態、地震活動に関する最新の調査・観測結果をもとに予想した地震像を、高精度な映像で立体地図模型に投影しました。津波により浸水する水の流れや力なども可視化、高台と低地の差異についても視覚的に認識できるようになりました。
さらに正面のディスプレイには、現象の解説や、震度ごとの家屋の倒壊数・死者数などの被害想定グラフ、液状化現象や崖崩れなどの2次災害発生予想地域、災害発生時に必要とされる避難場所、救援物資緊急輸送ルートなどの情報を表示し、より多くの情報を複合的に時系列でわかりやすく表現しました。災害について学ぶだけでなく「備え」に対する意識の向上にも一役買っています。
現在この装置は、本学の地域防災研究センターと、今回設置された名古屋市港防災センターに常設されています。解体して運べるので、各種イベント・講座、小学校などの出張授業などにも活用が可能です。シミュレーションデータは愛工大地域防災研究センターとの連携により随時更新でき、最新情報を公開しています。
メディア情報研究会では、今後さらに内容を発展させ、知多半島部の拡大地図や全国地図に展開したいと考えています。
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メディア情報研究会が制作「南海トラフ災害シミュレーション」 名古屋市港防災センターに設置
2015.02.04
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