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江上教授が日本機械学会賞(論文)を受賞、風洞実験高精度化に新手法

2015.05.15 受賞・表彰
  • インクジェットプリンターの前で江上泰広教授
  • 感圧塗料、感温塗料をドット状に塗り分ける概念図 

 機械学科の江上泰広教授は2014 年度の日本機械学会賞(論文)を受賞し、4月17日に東京都内で開かれた総会の席上、表彰されました。

 論文は「ドット配列による感圧/感温塗料の複合化」のタイトルで、江上教授のほか名古屋大学の4人の教授らとの共著です。江上教授は流体工学、流体計測などが専門で、風洞での圧力分布を光学的に測るセンサーを開発し、航空機や自動車などの風洞実験の精度向上に努めてきました。

 風洞実験では模型に感圧塗料(PSP)を極めて薄く塗って圧力を計測する手法が広く普及していますが、発光強度は温度にも左右されるため、別に感温塗料(TSP)を塗って温度も計測し補正する必要があります。両方の塗料を混ぜて塗ると色素分子間で化学的相互干渉が起きて発光強度が不安定になる難点がありました。

 そこで今回の論文では、二種の塗料を独自に開発し、インクジェット技術を用いてドット状に複合的に塗り分けることを提案しました。この結果、相互干渉も起きず圧力と温度の同時計測が可能になり、温度補正によって計測のさらなる高精度化に成功しました。江上教授は3回目の受賞ですが、「受賞は光栄です。複合化に成功したので、今後はさらに高速で複雑な空気の流れの解明に取り組んでいきたい」と話していました。

 日本機械学会賞は「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的に1958年に設けられ,毎年表彰が行われている伝統ある賞です。2014 年度の場合、論文は16 件が表彰され、江上教授らの論文は「先端境際領域」の分野での選出でした。

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