NEWS詳細

大学院 情報処理学会東海支部学生論文奨励賞を受賞

2015.06.09 受賞・表彰
  • ㊧から指導教員の水野忠則教授、受賞した水上貴晶さん、センサ開発担当の大村和徳さん

 5月18日、コンピュータネットワーク・分散処理研究室(情報科学科・水野忠則教授)の水上貴晶さん(大学院経営情報科学研究科博士前期課程)が研究する 「センサ主導の無意識参加型センシングシステムの基礎設計」について発表した論文が優秀であるとして、情報処理学会東海支部学生論文奨励賞を受賞しました。学生論文奨励賞は、情報処理に関する学問や技術の分野において優秀な成果をあげ、その将来を嘱望される学生(卒業後1年未満まで)に対し贈呈されます。

 近年、一般的となってきた広大な領域の環境情報を収集する参加型センシング(※)は、コストを下げるため、人を用いてデータを多く収集・分析するシステムで、天気予測や渋滞予測などに活用されています。 しかし、人が「データ収集に参加する」と「意識的」に行う行動を元にデータ収集が行われる場合、その「意識」によって収集されるデータ量が大きく左右されるため、予測情報の精度に欠けるという欠点がありました。

 そこで水上さんは、人が意識的に行動を行わなくても=「無意識」にセンシングに参加が出来るシステムの提案を行いました。小型のセンサデバイスを測定したい場所に設置し、観測したデータを参加者の持つスマートフォンを活用して、自動的にデータ収集を行うというものです。 人々が多く集まる場所の場合、集まるデータ量も多いため、精度の高い情報を得ることができます。混雑度を観測して人流の予測や制御をしたり、気温・湿度などを観測した場合は、より正確に不快指数や快適度を把握でき、熱中症の警告をすることも可能です。ビニールハウスなどの環境制御などにも応用されています。

 データ収集のための小型のセンサデバイスの開発には、大村和徳さん(情報科学科4年)が協力しており、水上さんが卒業後は大村さんが研究を引き継いでいきます。

※センシング: センサを利用して物理量や音・光・圧力・温度などを計測・判別すること。

PAGE
TOP