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プロフェッショナルな技術者に 院生2人、学部4年時にF.E.試験合格

2015.07.29 受賞・表彰

 米国では4大国家資格の一つとしてプロフェッショナル・エンジニア(P.E.)という資格制度が設けられ、社会・公共の安全や国民の健康に関わる重要な技術業務にはP.E.のライセンスが要求されます。その第一次試験としてファンダメンタル・エンジニア(F.E.)試験がありますが、大学院前期博士課程の工学研究科機械工学専攻1年の大野聖紗典君と長谷川秀樹君の2人が当学4年時に難関のP.E.への第一歩であるF.E.試験に合格しました。全米エンジニア試験協議会(NCEES)からようやく届いた合格証を手に2人は「世界に通用する技術者を目指したい」と口をそろえています。

 2人は応用数理研究室(中山雄行准教授)に所属し、渦のダイナミクスに関する基礎研究に取り組んでいます。学部3年時から機械学科に設けられているP.E.コースに参加しF.E.の受験勉強を早期から始めました。F.E.試験の範囲は工学全般にわたって15科目以上あり、すべて英語で行われます。今年2月、国内外から来た受験者と共に大阪府でWeb受験しました。

 機械学科のP.E.コースは、P.E.の精神に基づき、機械工学に関する高度な知識と倫理観を有する国際レベルのエンジニアを育成する目的で2009年度にスタートしました。P.E.の資格を有する教員を含め学科全体で大学院進学も視野に入れた少人数教育に取り組んでおり、本コースの理念と体系化されたプログラムは、エンジニアの国際化を推進・支援するJPEC(日本P.E.・F.E.試験協議会)からも高く評価されています。昨年、コース第1期生の大学院生1人が本学から初の合格者となり、第3期生の2人はそれに続くものです。企業の国際化に伴ってP.E.を目指す社会人の受験者は大きく増えていますが、学部4年時での受験・合格は極めて価値あるものと言えます。

 P.E.の第二次試験を受けるには4年以上の実務経験が必要なため、2人は大学院修了後、仕事をしながら勉強を続けます。大野君は「1年時に海外旅行をしたとき、国際的な大きな仕事をしたいと思った。社会に貢献する人材を志して努力した結果、P.E.への第一歩を踏み出すことができて嬉しい。自分の意識次第で自分の可能性を広げることができると思う。将来は水処理系プラント分野で経験を積みたい」、長谷川君も「F.E.試験の勉強により工学全般を俯瞰することができ、視野がとても広くなった。物事に対する考え方も多角的となり、1年半こつこつ頑張って本当に良かった。将来は研究開発系の仕事について、もっと勉強したい。」と喜びを話しています。中山准教授は「志のある優秀な2人なので、将来は国際的な舞台で技術者として活躍してほしい。」とエールを送っていました。

写真は、全米エンジニア試験協議会(NCEES)発行のFE合格証を手に、夢を語る大野聖紗典君㊧と長谷川秀樹君㊨

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