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伊藤暢浩教授らのチーム、ロボカップ世界大会2015(中国)で優勝

2015.07.31 受賞・表彰

 情報科学科の伊藤暢浩教授らのチームがロボカップ世界大会2015(中国)のレスキューシミュレーションリーグ・インフラ部門で優勝しました。レスキューシミュレーションリーグは都市部で発生する大規模な自然災害に対しコンピュータ上で対応する競技で、伊藤教授は「今後、私たちの作ったソフトウェアが災害シミュレータの標準ソフトウェアとして、世界中の研究者や競技参加者に使われるようになることは、とても名誉なこと」と喜びを語っています。

 チームのメンバーは伊藤教授の分散人工知能研究室に属する高柳和央君(本学大学院1年)、鷹見竣希君(本学情報科学科4年)、劉宇辰君(同)、それに名古屋工業大学大学院2年の川上拓真君も加わった5人で、チーム名は「NAITO-Rescue」。インフラ部門(Infrastructure Competition)には伊藤教授、高柳君、鷹見君の3人が挑戦しました。

 この部門は災害シミュレーションの仕組みを提案するコンペティションで、チームの発表タイトルは「Agent Development Framework for RoboCup Rescue Simulation System」。特徴は研究者が研究に集中できるよう、開発する(される)プログラムを読みやすく、分かりやすくする仕組みを導入し、研究者を手助けすることです。現在のレスキューシミュレーションでは、研究者によってプログラムの設計方法が異なっていたり、仕組みを理解することが難しかったりと問題も多く、そのため新規で入ってくる研究者が少ないのが実情です。競技というより、むしろ学術的な意味合いが濃く、審査ではこうした問題の解決の必要性や将来性が評価されました。

 チームは論文等の資格審査を受けて予選を突破、中国・合肥で7月17~23日に開かれた世界大会に出場しました。高柳君は「これまでの研究の成果がレスキュー発展に活かせるのがありがたい」、鷹見君も「レスキューにとってとても重要なソフトが評価され、うれしい」とそれぞれ話しました。伊藤教授は「特に鷹見君は1年から良く頑張り、4年生でチームに大きく貢献してくれました」と評価していました。

 ロボカップは2050年までに人型の自律ロボットで、人間のサッカーワールドカップチャンピオンチームに勝利することを目標に人工知能やロボット工学の研究を促進する国際的な学術会議及び競技大会です。再来年には名古屋市での世界大会開催が決まり、来年は本学でジャパンオープン(日本を中心としたオープン大会)が開催されます。レスキューシミュレーションリーグはサッカーで培った研究成果を人命救助に役立てるために2001年に始まりました。
 
写真㊤ 優勝した伊藤暢浩教授と高柳和央君㊧、鷹見竣希君㊨
写真㊥ 中国・合肥で行われた表彰式の様子
写真㊦ 審査員に説明したフレームワークの図の1つ

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