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院生二人が電気設備学会全国発表奨励賞を受賞

2016.01.21 受賞・表彰
  • 三好宏明さん㊧と吉田光貴さん㊨
  • フライホール:大型の円盤を超高速回転させることで物理エネルギーとして貯蔵。放出時にはその物理エネルギーを電気エネルギーに変換。
  • 内灘風力発電所における雷観測の様子

 大学院工学研究科博士前期課程・電気電子工学専攻2年の三好宏明さんと、同1年の吉田光貴さんが「2015年(第33回)電気設備学会全国大会」の発表奨励賞を受賞しました。

 気象状況に大きく左右される太陽光発電などの再生可能エネルギーは発電量の予測が難しく、需要と供給のバランスをコントロールするために再生可能エネルギーを蓄電する方法が注目されています。三好さんは、一般的に蓄電のために使用されている「鉛蓄電池」に着目。『フライホイール』を併用することで「鉛蓄電池」を長寿命化できれば、再生可能エネルギーを効率的に運用し、トータルコストの削減などにもつながるのではないかと調査を行い、その結果を「DC マイクログリッドにおけるフライホイール蓄電装置の制御運用手法の検討」と題し発表しました。

 また吉田さんは、同じ再生可能エネルギーの中でも今後更なる増設が予想される風力発電に着目しました。風力発電では風の強い山間部や日本海沿岸などに風車が設置されており、特に天候が荒れる冬季は落雷による被害が多く、風車の停止による電力供給量の低下や修理などに伴うコストなどの対策が急務となっています。そこで吉田さんは、落雷から風車を守るために設置された「避雷塔」に着目し、どのような落雷現象が起こり、どのような雷保護効果があるかを把握し、それらの情報を落雷対策に活かすために「2013年度 内灘風力発電所における雷観測」にまとめ発表しました。

 三好さんは電力システム工学研究室(電気学科・一柳勝宏教授/雪田和人教授)、吉田さんは電気エネルギー工学研究室(電気学科・依田正之教授/箕輪昌幸教授)にそれぞれ所属しています。研究テーマは違いますが二人とも、『再生可能エネルギーの安定供給』という大きな枠のなかで「社会に貢献できるという実感があり、やりがいを感じている」と話し、今後も研究を続けていくと目を輝かせていました。

 「電気設備学会全国大会」は電気設備の学術や技術の進歩を推奨するため、新しい知見や創意工夫などの研究・開発成果を全国大会において発表し、会員の学術・技術レベルの向上を図るとともに会員相互の連携強化を目的に年に1度開催されており、優秀な発表として認められる新進の発表者に『発表奨励賞』を贈り表彰しています。
 今回の受賞者は全国で28名(対象者は87名、全講演者は225名)でした。

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