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梶准教授と研究室の学生が受賞

2016.08.01 受賞・表彰

 情報処理学会などが主催するDICOMO2016シンポジウム(7月6~8日・三重県鳥羽市)で、本学情報科学科の梶克彦准教授が最優秀プレゼンテーション賞、梶准教授のユビキタス情報処理研究室に所属する4年の丹羽美乃さんが優秀プレゼンテーション賞を、それぞれ受賞しました。
 梶准教授の発表テーマは「回転磁石マーカに基づくスマートフォン位置推定」。GPSの利用が困難な屋内でスマートフォンを用いて位置情報を取得する場合、設置されたビーコンの電波を受信して位置推定する従来の手法がありますが、詳細な位置情報を取得するには多数のビーコンが必要になるなどの問題がありました。梶准教授らのグループは、コイルの制御で回転する磁石を組み込んだ小型の磁場マーカを作成。これを屋内に設置することで、スマートフォンを所持する人がいる方角と距離などを、スマートフォンの磁気センサが読み取る変動値のタイミングから推定する手法を提案しました。
 実験の結果、磁場マーカから1.4メートルの範囲内であれば距離の誤差は4センチ以内、方角の誤差も平均24度と高い精度が得られました。梶准教授は「幅広い応用が考えられ、たとえばイベント会場で誰がどんな場所や商品に興味を持っているかが分かります。上手に実用化に持っていきたいですね」と話しています。
 丹羽さんの発表テーマは「リズムパターン認識に基づく緊急時対策用スマートフォンアプリ」で、犯罪などに巻き込まれたとき、怪しまれずに救助要請ができるアプリを考案しました。アプリはスマートフォンのリズムパターン認識を利用し、本体をタップしたり近くのものをたたいたりすることで一定のリズムを認識させ、画面に視線を落とさなくても遠方にSOSを発信したり、証拠の録音録画を記録したりできます。丹羽さんは「受賞は実験に協力していただいた皆さんのおかげ。これからの研究のモチベーションにつながります」と喜びを話しています。

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