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佐藤教授がシリコン・エッチング研究の専門書を共著

2017.07.04 TOPICS

 機械学科の佐藤一雄教授が、単結晶シリコンのウェットエッチング研究の集大成となる専門書「MEMS(マイクロマシン・センサ技術)のためのシリコンマイクロ加工技術」(原題:「Silicon Wet Bulk Micromachining for MEMS」)を、インド工科大学のプレム・パル准教授と共著しました。この分野の研究について体系的にまとめられた書籍はこれまでほとんど例がなく、大学院生以上の研究の役に立つ教科書となっています。

佐藤教授は、日立製作所中央研究所在職中の1983年からMEMSの研究に着手し、以後、名古屋大学、愛知工業大学に研究の場を移しながら、通算34年にわたってこの分野を開拓し、研究者を育成しています。

 MEMSの研究は、一般に電子回路が作られる単結晶シリコンの基板上にミクロンサイズの機械構造を製作することを可能にし、モバイル機器や自動車に搭載される各種センサ、科学装置に使われる微小構造、インクジェットプリンタヘッドなどに応用されてきました。これを実現する手段の一つがウェットエッチング加工であり、佐藤教授は単結晶のもつ強い異方性を応用した多面体、曲面体などの微小3次元構造体の加工を実現してきました。

 佐藤教授は「シリコン」「エッチング」のキーワードにかかる英文論文だけでも過去20年間に125篇を発表し、それらが他論文に1700回以上引用されています(Web of Science調べ)。海外研究者との共同研究成果の共著論文も多く、今回の共著者となったパル准教授は、2006~2010年に佐藤教授が雇用した若手ポスドク研究者の一人であり、本学にも共同研究などで2014年以来、2回にわたる滞在(各3か月)を経験しています。

 共著書籍は英文412ページで、Pan Stanford Publishing Pte. Ltd.から出版されました。Amazonなどで購入できるほか、本学図書館にも収められています。

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