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DICOMO2017シンポジウム 梶研から受賞3件

2017.08.04 受賞・表彰
  • (左から)大村和徳さん、宮脇雄也さん、梶克彦准教授

 情報処理学会などの主催で開かれたDICOMO2017シンポジウム(6月28~30日・札幌市)で、本学情報科学科のユビキタス情報処理研究室(梶克彦准教授)から、梶准教授が優秀プレゼンテーション賞、大学院博士前期課程2年の大村和徳さんがヤングリサーチャ賞、学部4年の宮脇雄也さんと梶准教授が野口賞(デモンストレーション賞)第3をそれぞれ受賞しました。

 優秀プレゼンテーション賞を受賞した梶准教授の発表は「加速度平面成分を用いた1歩ごとの進行方向推定」。屋内環境にいる歩行者の位置を推定する際、これまでの手法では横歩きや後退などの行動を推定するのが困難でした。梶准教授らのグループは、ショッピングモールなど歩行者の進行方向が頻繁に変化する場所での長期的な位置推定を目的に、歩行者自律航法(PDR)を利用し、加速度平面成分に着目して1歩ごとの進行方向推定を行いました。評価実験の結果、進行方向の角度誤差の平均は21度程度に収まりました。

 大村さんの発表は「地域の潜在危険エリア発見のための子供の位置履歴転送デバイスの開発と評価」。スマートフォンとBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンの普及により子供の見守りシステムが商用化されていますが、大村さんらのグループは得られる情報が不十分と考え、GPSモジュールを搭載したビーコンデバイスを開発し、これを用いた見守りシステムを検討しました。特定エリア内のある地点で、見守りをする大人が不在だが子供が遊んでいるといった場所を潜在危険エリアとして定義し、これを発見する手法などを提案しました。

 宮脇さんと梶准教授の発表は「スマートフォンのリズムパターン認識と赤外線統合リモコンデバイスの連携による家電制御」。この研究では旧来の赤外線リモコン家電をより便利に制御する方法を課題に、スマートフォンにリズムパターン認識を用いた家電制御と家電制御の編集機能を実装し、赤外線統合リモコンデバイスとの連携による家電制御を実現しました。赤外線信号を全方位に照射する機能を持つリモコンを、リズムパターン認識をするスマホのアプリで操作する仕組みで、被験者実験を行った結果、70%以上の人から「使いたい」という回答が得られました。

 大村さんと宮脇さんは「まさかの受賞で、今後の研究の励みになります」と喜びを語りました。梶准教授は「優秀プレゼンテーション賞を受賞したのは卒業した学生から引き継いだ研究。本人に良い報告ができてよかった」と話しています。

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