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アメリカ物理学会 流体力学部門 学生ポスターセッションで1位

2017.12.25 受賞・表彰
  • 右から二人目が山本さん
  • 左:学生ポスターセッションで1位になった山本さん、右:指導教員の中山准教授

 11月19日~21日、アメリカ・コロラド州デンバーで開催された『The 70th Annual Meeting of the American Physical Society Division of Fluid Dynamics(第70回 アメリカ物理学会 流体力学部門)』の学生ポスターセッションで、応用数理研究室(機械学科・中山雄行准教授)に所属する山本圭恭さん(大学院工学研究科博士前期課程1年)が1位に選ばれました。この国際会議は、流体力学の研究コミュニティにおける世界最大の集まりの一つであり、今回は全体で約3000件がエントリーしました。(そのうちの約 1/3 がアメリカ国外から) 

 山本さんは「Relationships between development/decay of a vortex and its topology in different flow scales in an isotropic homogeneous turbulence《一様等方性乱流の異なる流れのスケール(マルチスケール)における渦の発達・減衰とトポロジーの関係》」と題しポスター発表しました。山本さんの地道な研究成果が世界的に認められたことについて、同席していた世界第一線で活躍する九州大学マス・フォア・インダストリ研究所の福本康秀所長から「APS(アメリカ物理学会) で1位ということは、野球に例えると、全米一位ではなく、文字通り世界一のチームを決めるアメリカシリーズ(=ワールドシリーズ)で1位というのと同じくらいの快挙です」と祝福の言葉をいただき、山本さんは「ようやく実感がわいてきました。大きな励みになります」と、同じ流体力学を研究する他大学の先生方と共に受賞を喜びました。
 山本さんの取り組む研究は、確立された物理量や物理法則を基に新たなものを開発・実用化したり応用方法を模索する「応用研究」とは違い、自然現象を解明して物理量や法則を導く「基礎研究」と言われるものです。山本さんは、流れを理論的に考察して渦の物理量や定義等を導出し、シミュレーションによりその有効性を確認、乱流の元である渦の現象を解明することに励んでいます。

 工学分野では主に基礎研究を基に応用研究がなされていますが、山本さんは「基礎研究分野から多様な分野のものづくりに携わりたい」と考えていたところ、中山准教授の授業を通して流体力学に興味を持ちました。中山准教授が本学機械学科の独自プログラムであるP.E(Professional Engineer)コースで指導していることもあり、山本さんは国際的にも認められているP.E.の資格の基盤であるF.E.(Fundamental Engineer)の資格取得にも挑戦中です。将来は海外で働くことを希望しています。

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