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院生2人が電気設備学会全国大会で発表奨励賞を受賞

2018.01.15 受賞・表彰
  • 安藤さん(左)と大脇さん
  • 安藤さんの研究による「雷サージ侵入ルートの推定結果」
  • 大脇さんが実験に用いた蓄電装置

 大学院工学研究科博士前期課程・電気電子工学専攻2年の安藤晴信さんと同1年の大脇大輝さんが、2017年(第35回)電気設備学会全国大会で発表奨励賞を受賞しました。

 安藤さんは「学校施設における雷被害事例の調査(その2)」と題して講演しました。近年、IoT(Internet of Things)、AI技術の進歩により、さまざまなモノに情報通信技術が導入されています。これら情報通信機器はさらに普及し、世の中はより便利になると予想されます。一方、情報通信機器の小型化による耐電圧能力の低下、複雑なネットワーク化による雷サージの侵入ルートの増加などにより、雷リスクは増加しています。特に学校施設やショッピングモールなど多くの建物が集まっている複合施設で被害の可能性が高いと言われています。また、雷による情報通信機器のトラブルは、大きな二次被害を出すリスクがあります。このような雷リスクの低減を目的とした研究で2016年夏、ある学校施設で発生した雷被害について雷サージがどこから侵入し、どのような経路をたどり、機器を損傷させるに至ったか調査を行いました。その調査内容と雷対策案を「学校施設における雷被害事例の調査(その2)」としてまとめ、発表しました。
 大脇さんは「再生可能エネルギーを導入した小規模系統における蓄電装置の制御特性の検討」と題して講演しました。近年、太陽光発電などの再生可能エネルギーを用いた発電設備が大量導入されており、これらの発電設備は気象条件に大きく影響を受けるため、電力の需要と供給の調整が難しくなっています。その結果、電圧や周波数への問題が生じ、電力品質への影響が危惧されています。対策の一つとして、蓄電装置を導入し、太陽光発電の変動や急な負荷変動に応じて蓄電装置を充放電させる方法がありますが、これらの変動に対して逐一充放電を行うと蓄電装置の寿命が短くなります。そのため、蓄電装置の通信制御方法を検討することで蓄電装置の長寿命化と再生可能エネルギーの効率的な運用が可能であると考え、調査した結果を発表しました。
 電気エネルギー工学研究室(電気学科・依田正之教授/箕輪昌幸教授)に所属する安藤さんは「夏の暑い時期に被害状況の聞き取り調査をした苦労が報われました」、電力システム工学研究室(電気学科・雪田和人教授/松村年郎教授)に所属する大脇さんは「評価していただき、研究への意欲がさらに高まりました」と、それぞれ受賞の喜びを話しています。

 「電気設備学会全国大会」は電気設備の学術や技術の進歩を推奨するため、新しい知見や創意工夫などの研究・開発成果を全国大会において発表し、会員の学術・技術レベルの向上を図るとともに会員相互の連携強化を目的に年に1度開催されており、優秀な発表として認められる新進の発表者に『発表奨励賞』を贈り表彰しています。

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