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機械学科の生津教授がエレクトロニクス実装学会春季講演大会優秀賞を受賞

2018.03.08 受賞・表彰
  • エレクトロニクス実装学会春季講演大会優秀賞を受賞した生津資大教授
  • 酸化ケイ素の多孔質ナノ粒子

 機械学科・ナノテク研究室の生津資大教授が「第31回エレクトロニクス実装学会春季講演大会優秀賞」を受賞しました。「発熱機能を持つ微粒子の開発」のタイトルで講演した、金属多層膜が外部刺激で合金となり発熱する機能をナノ粒子に付与することに成功した研究成果に対する賞です。

 軽金属(アルミニウムなど)と遷移金属(ニッケルなど)をナノの厚みで積層堆積させた多層膜に微小な刺激を与えると、化合物を生成すると同時に発熱します。この発熱反応は多層膜内で高速に自己伝播し、条件次第では0.1 秒で1000℃近くまで瞬間発熱して、数秒後に室温に戻ります。この発熱素材を用いると、瞬間ハンダ接合など、熱を与えたい部位だけを瞬時に加熱することができます。

 生津教授のグループは、成形困難な発熱多層膜の欠点を補うため、2種類の金属が内部で交互に並ぶ金属微粒子の作製に取り組みました。具体的には、酸化ケイ素の多孔質ナノ粒子を作製し、これにチタンを堆積させてチタンと酸化ケイ素の繰り返し構造を持つナノ粒子の製造に成功しました。作製条件を変えて酸化ケイ素ナノ粒子の空孔数や空隙率などを変化させることで、チタン/酸化ケイ素粒子群の最高到達温度と発熱時間を変調させることを実現しました。発熱性能を自由に設定した微粒子を量産できれば、医療や半導体産業など、多方面への展開が期待されます。

 授賞式は3月6日、東京理科大学で開催された第32回エレクトロニクス実装学会春季講演大会の席上、行われました。生津教授は「金属多層膜で見られる『合金化に伴う自己伝播発熱機能』をマイクロ~ナノサイズの微粒子に持たせるという、とても挑戦的な研究テーマに対して学生が主体的によく頑張ってくれました。機械工学の学生が機能性ナノ粒子を作るというのは他ではなかなか見られないことですが、化学的な知識と技術も取り入れ、見事に実現してくれました。固定観念に捉われず、学生とともにこれからも魅力的かつ挑戦的な研究に取り組んでいきます」と喜びを話しています。

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