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電気設備学会全国大会で院生2人が発表奨励賞を受賞

2019.01.08 受賞・表彰

 第36回電気設備学会全国大会(平成30年9月4~5日・福井市地域交流プラザ)で発表を行った大学院工学研究科博士前期課程電気電子工学専攻1年の岩根佑治さんと谷口智基さんが、それぞれ発表奨励賞を受賞しました。

電力システム工学研究室(雪田和人教授)に所属する岩根さんは「配線探査手法に関する一検討」と題して発表しました。

 一般的にビルや工場では、電源線や通信線など長さ数十~数百メートルで多条のケーブルが複雑に布設されています。配線路探査器は、対象とする任意のケーブルの行先や経路を特定する際に使用されており、探査方式は電磁誘導方式と静電誘導方式に大別されますが、これらの方式は回路条件によって探査精度が異なります。岩根さんの研究では、電磁誘導方式と静電誘導方式の二つを組み合わせた新たな探査器の開発のため、本学新2号館を用いてインバータ機器などによるノイズが探査精度に及ぼす影響を明らかにしました。

 電力エネルギー工学研究室(箕輪昌幸教授)に所属する谷口さんは「降水日の内灘風力発電所における落雷の有無と気象要素に関する基礎研究」と題して発表しました。

 再生可能エネルギーへの期待が高まる中、風力発電の導入量が増加傾向にあります。日本海沿岸は風況も良く、多くの風車が建設されていますが、冬季の日本海側は冬季雷の多発地域であり、風車の故障や風力発電の運用上で支障が生じるため、落雷の発生要因の検討が重要です。谷口さんの研究では、内灘風力発電所(石川県河北郡内灘町)で観測されているデータを基に、地上気温と海面水温との温度差および風速の値を落雷の有無毎に比較検討しました。そして、温度差と平均風速が落雷発生に影響を与える要因の一部といえること、温度差および平均風速の利用は、本発電所における落雷発生の指標になり得ることを明らかにしました。

 受賞を受け、岩根さんは「この研究はまだまだ基礎的な段階です。今回得られた結果をもとに新たな探査器の製作に取り組みたいと思います」と意気込みを話しています。谷口さんも「落雷がなかった日もデータ処理をしなければならず、膨大なデータに悪戦苦闘しましたが、あきらめず努力した結果が報われました」と喜びを話しています。

  • 発表奨励賞を受賞した岩根さん(左)と谷口さん
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