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情報処理学会第81回全国大会で2学生が学生奨励賞

2019.03.29 受賞・表彰
  • 上谷一将さん
  • 芳賀正憲さん

情報科学科の組込みシステム研究室(中條直也教授)に所属する学生2人が、情報処理学会第81回全国大会(3月14~16日・福岡大学七隈キャンパス)で発表し、それぞれ学生奨励賞を受賞しました。

受賞した学生は、「自動運転ソフトウェア開発のための仮想環境の検討」を発表した上谷一将さん(4年)と、「FA機器のサーボモータ間の相互作用を考慮した故障予測の検討」を発表した芳賀正憲さん(同)です。

上谷さんは、自動運転ソフトウェアの安全性と開発効率の向上のために、実車実験の前に行う仮想環境を用いたソフトウェアの評価について発表しました。

2種類の仮想環境の検討を行い、第1の仮想環境は、車両、センサ、道路環境のすべてにCGモデルを用いました。この環境では使用するセンサや道路環境についての自由度が高く、まだ存在しない車両やセンサを使用して実験することができます。第2の仮想環境は、車両、センサはCGモデル、道路環境はカメラやLiDAR(光を用いたリモートセンシング技術の一つ)の計測データから作成しました。この環境では、第1の仮想環境よりも実際に近く、道路環境を精度よく作成することができます。

2つの仮想環境で自動運転ソフトウェアの一部を動作させてデータを計測し、実際の環境に近い実験ができることを確認しました。

芳賀さんは、多くの産業用ロボットなどを用いたFAシステムを使用して生産を行っている現代の工場では、FAシステムが故障すると生産が止まり経済的な損失が出てしまうことから、故障予測を重要な課題ととらえて研究を進めました。

FAシステムのメンテナンスコストは製造コストの15~60%にもなると言われ、メンテナンス回数を増やすことはコスト増加に繋がります。芳賀さんの研究では、FAシステムの部品の相互作用によって起きる不具合や製品の品質の低下を防ぐため、FAシステムのデータ計測に基づいて故障の予測を行うことを課題としました。具体的には実験システムを開発し、不具合を模擬する負荷を加えて、その際のデータ変動を計測しました。計測データに対して主成分分析を用いることで、計測データの変動から故障予測が可能であることを実験的に示すことができました。

受賞を受けて、2人は「世の中でも研究が盛んな自動運転技術なので成果を挙げるために苦労しました。この分野の課題はまだ多く、今後も研究を進めて自動運転ソフトウェアの開発に役立つよりよい環境にしたいと思います」(上谷さん)「産業用に使用されるFA機器はたいへん高価なため,実験装置や計測用の道具を自作しました。1年という短い期間で自分の努力が評価されたことを嬉しく思います」(芳賀さん)と意気込みや喜びを話しています。

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