NEWS詳細

卒業生らがDCON論文賞を受賞

2019.07.31 受賞・表彰

 情報科学科を20183月に卒業した岩崎妃呂子さん(水野慎士教授のCGメディア研究室に所属)と水野教授、(株)SUGOIの秋葉陽児氏によって、20172月に情報処理学会論文誌「デジタルコンテンツ(DCON)」で発表された論文「いけばなとCGによるインタラクティブデジタルコンテンツ"デジタル枯山水""いけばな影絵"」が、DCON論文賞を受賞しました。

 論文は、20164月に開催された龍生派いけばな展をデジタル的に演出した「デジタル枯山水」「いけばな影絵」の2種類のインタラクティブCGと、その技術に関するものです。

 「デジタル枯山水」は、白砂で枯山水を再現した空間に6つのいけばなを配置し、上方に設置したプロジェクタで映像を投影することで、空間をいけばなと映像で演出した作品です。投影される映像は、波模様がさまざまな形に変化するデジタル的なものと、枯山水の中を本当に鯉が泳ぐようなアナログ的な映像の組み合わせで、鯉は人が拍手する動作に反応して近づくというインタラクション要素も含まれています。

 「いけばな影絵」は、樹木を用いた大型のいけばなにプロジェクタで光を当てることで、いけばなの後方の壁に影絵を生成する作品です。このとき、影絵の中でCGで生成した影絵の鳥が飛び回ったり、木の枝の実影にCGの影絵の鳥が止まったりします。また、人がいけばなの前を通ると、いけばなの影からCGの花びらが舞ったり、人の実影にCGの影絵の鳥が止まったりするインタラクション要素も含まれています。全国で巡回展示中の人気イベント「スヌーピー・ファンタレーション」の中の「マジックシャドウ」は、いけばな影絵のために開発された技術が使われています。

 いずれの作品も、いけばなを引き立てるデジタル映像による演出と、それを実現するために開発されたインタラクションやCGに関する新しい技術が高く評価され、受賞に至りました。今回、DCON論文賞では20132月から20188月までに発表された46編から4編の優秀論文が選出されました。

 受賞を受けて岩崎さんは「思い入れのある作品の論文が表彰され、とてもうれしく思います。適宜アドバイスをしていただいた先生や、作品を作るきっかけをいただいた龍生派、SUGOIの皆さんのお陰です」と喜びを話しています。水野教授も「研究室で開発した技術をわかりやすく応用することを目的に研究室単独で制作する通常のコンテンツと異なり、"デジタル枯山水"と"いけばな影絵"は、龍生派のいけばな、SUGOICGアニメーション、そして研究室のデジタル技術を融合させて、作品としてお客さんに喜んでもらえるものを制作しました。その結果として、作品として非常に高いクオリティが実現できました」と話しています。

  • 学内で「デジタル枯山水」の実験に取り組む岩崎さん
  • 龍生派130周年記念花展で展示した「デジタル枯山水」
  • 龍生派130周年記念花展で展示した「いけばな影絵」
PAGE
TOP