※ 都市環境学科から学科名称変更及び専攻改編
地震、津波、集中豪雨、そして竜巻。近年の日本は、さまざまな自然災害の脅威にさらされている。
こうした自然災害を想定し、国と人を守る技術者を育てる画期的な専攻が愛知工業大学に誕生した。
それが、防災土木工学専攻※ だ。
愛工大は1964年の東京オリンピックの翌年に「土木工学科」を開設。以来50年にわたって、
防災や減災に関する教育・研究を続けてきた。
1998年には国内の大学でも有数の実験施設「耐震実験センター」が、
2005年には東海地域の防災力向上を目的とした「地域防災研究センター」が設立され、研究体制も一層進化している。
東海・東南海地震の発生に伴う中部エリアでの大きな被害が危惧される今、
その被害を最小限に抑える防災対策の推進が急務だ。
だからこそ今、最先端の施設と教育・研究の実績を最大限に活用し、災害から人命、財産、
そして日本の国土を守るエンジニアを育成していく。
一口に防災と言っても、地震や津波、集中豪雨などの規模を想定し、構造物を安全に設計する、橋を補強する、避難ルートをつくる、住民に防災教育を行うなど、その領域は幅広い。
防災土木工学専攻では、構造力学、土質力学、水理学、コンクリート工学という土木の基礎を土台に、豊富な防災実習を通して生きた学問を学んでいく。
災害に強い街づくりやインフラ整備、防災、復興など、社会に必要とされる技術者がここから生まれる。
英語でシビル・エンジニアリング(Civil Engineering)と表現されるように、土木は市民のための工学。市民の安全を守るために必要なことは何かを常に考えることで、知識や技術だけでなく考える力を養っていく。
土木工学を学ぶうえで欠かせないのが、構造力学、土質力学、水理学、コンクリート工学の4つの学問。防災土木工学専攻では、演習を交えてこの4つの学問に徹底的に取り組み、土木の基礎を修得する。
地域の特性を踏まえた防災をめざすために、防災土木工学専攻では体験的に現場を知ることを大切にする。時には地域住民を交えたフィールドワークも実施し、コミュニケーション能力も養っていく。
都市災害を中心に、災害のメカニズム、災害に関する法律、防災技術、防災計画、防災行政、安全・安心な街づくりについて、事例を取り上げながら学ぶ。生活を守るための解決方法を考えながら、問題解決能力も身につけていく。
地震の性質、地震動の性質、地震による自然災害の発生のメカニズムを理解し、地表面の揺れの強さや建物の揺れ方、最新の地震防災の動向などを学びながら、地震を工学として捉え、より深く理解していく。
地震が起きた時の構造物の挙動を振動学を用いて学び、耐震設計の基礎(震度法)を理解する。また、長周期地震動などについても実験を通して理解し、耐震基準と耐震設計の基礎を身につけていく。
耐震実験センターは、国内の大学では最大級、最新鋭を誇る耐震実験施設。南海トラフ地震の発生が危惧される今日、土木・建築構造物の地震による破壊を少なくし、その被害を最小限に抑えるために、さまざまな実験を行っている。センター内にある実験モデルの大部分は、実験を担当するメンバーたちによって製作されたオリジナルで、企業からの注目度も高い。この実験施設を他大学や企業にも提供し、施設を有効活用できる仕組みづくりにも取り組んでいる。
文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業により、東海地域の地震防災研究の拠点として2005年2月に設立された地域防災研究センター。緊急地震速報や高密度地震観測網によって測定された地震情報を約100の事業所にインターネット配信するなど、最先端技術を使った地震防災の研究・開発に取り組んでいる。また、研究センターの建物自体が実験体で、地震発生時には本学の災害対策本部の役割も果たしている。
耐震実験センターを利用し、防災土木工学を学ぶ上で大切なキーワードは、作る、壊す、直すの3点。より強いものを作るためには、実験で弱い場所を見つけ、適切に補強することが重要です。防災のニーズがさらに高まる近年の日本。国内屈指の耐震実験センターが果たす役割は極めて大きく、ここで学ぶ学生にも大きな期待が寄せられています。
地域防災研究センターは、自治体と企業、地域住民と学生をつなぐ貴重な施設です。学生はこのつながりを生かして実習を行い、自治体や企業はセンターから発信される情報を防災に役立てています。実習や豊富なデータから学び、最先端の防災技術を開発する。きみたちの探究心が企業と地域を守ります。
※ 科目名や開講期は変更する場合があります。