分野横断型研究(テスト) 愛知工業大学研究プロジェクト

愛知工業大学 研究プロジェクト 分野横断型研究

学部学科等の垣根を越えた分野横断型研究

教員が有する要素技術を結集し、多面的な視野から研究を加速させるため、分野を横断するプロジェクトを実施しています。
プロジェクト一覧

2017~2019年度研究課題
名駅地下街の防災力と利便性の向上および維持管理の効率化 ~3次元の切り口から~

研究の目的
名古屋駅を中心として地下街と地下駅からなる地下空間ネットワークが形成されているが、その中核をなす地下街を対象とした研究である。名駅地下街の3次元モデルを切り口にして、3次元避難シミュレーションによる、適切な避難誘導方法の検討、3次元バーチャルリアリティ空間を利用した自己位置把握方法の提案、地下空間には欠くことのできない空調設備のモデル化や点検記録のデータベース化により、名駅地下街の防災力と利便性の向上や維持管理の効率化の方法を具体的に示すことが研究の目的である。
研究内容・実績
2017年度
地下街の3次元モデルを作成するために必要となるデータを様々な角度から収集。土木測量が可能な場合には、3次元レーザ計測機や写真計測機を使って測量。躯体図面が入手できる場合には、現況との差異を現場で確認したうえで躯体図を利用。その他、公開されている信頼できる情報を利用。入手した情報を基に、3次元モデルを作成。
2018年度

【防災力の向上】

各地下街単位で外水氾濫を想定した避難シミュレーションを実施。滞留発生場所を明らかにするとともに、望ましい避難ルートを検討。

【利便性の向上】

自己位置把握の手がかりが失われやすい地下街であるが、その手がかりを地上の建物や風景から得ることができるよう、携帯端末を使い地下街にいながら地上を透視できるARアプリケーションを作成。

【維持管理の効率化】

地上と同じように、安全に来街者が地下街を利用できるようにするため、地下街には大規模な空調設備が導入されている。日常点検や月例点検などで生成される膨大なデータを効率よく記録・保存し、必要なデータをピンポイントで閲覧できるデータベースを作成。
2019年度

【防災力の向上】

地下街からの避難先は地上の歩道であるが、駐輪場や電柱などの設置物により避難先エリアが限定されてしまう。このような避難先の環境を考慮したシミュレーションを行い、避難元から避難先までを含めたトータルでの避難方法を検討。

【利便性の向上】

地下街には地下1階の商店街の下に、地下2階として駐車場が併設されている場合がある(エスカとユニモール)。エスカを対象にして、地下駐車場の利用者も含めた地下街全体の利用者に対して、迷うことなく目的の場所(店舗や駐車位置)に向かうことができるARアプリケーションを開発。

【維持管理の効率化】

作成したデータベースを管理業務担当者からの意見を反映して改良するとともに、空調機械室の3次元モデルを作成し、維持管理担当者の新人教育に役立つような訓練コンテンツを作成。
各分野横断のイメージと教員一覧
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研究報告

2018~2020年度研究課題
災害時の安全な給水システムの確保に関する分野横断型研究

研究の背景
近年、南海トラフ巨大地震発生の確率が高まっている。このような将来の懸念や過去の痛ましい教訓から、国や地方自治体における防災・減災の意識はますます高まっている。民間においても事業継続コンサルティング、災害用浄水システム、災害情報管理システムなどの危機管理ビジネスが拡大している。
研究の目的
そこで本研究では、災害時の救命に資する生存水かつ生活水の確保を目的とする。震災時には、地殻変動に起因して有害化学物質が地下水に溶出することがある。簡易浄水器はすでに市販されているが、水溶性の高い有害な無機化合物(ふっ素化合物、ヒ素、金属イオンなど)に対する除去効率は低く、より高性能な吸着剤の開発が待たれる。一方、貯水タンク等の水供給施設に対し、土木・機械工学の知見により頑健性を確保する。また貯水タンクの破損や設置状況等を安全に把握するため、自律ロボットを活用する。本研究により震災直後の数日間における生存のための水、復旧が進む段階での生活水の確保が可能となる。さらには恒常的に水質改善が望まれる海外地域にも展開が見込まれる。
研究・開発内容の概念図
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研究報告

2020~2022年度研究課題
深層学習を用いた電柱の劣化診断

研究の背景
国内のコンクリート柱は、厳格な規格に基づき、コンクリートと鋼材で構成される。コンクリートは、引張荷重に弱いので、内部の鋼材が引張荷重を分担する。またコンクリート柱は、工場において遠心成形製造されるため、現場でコンクリートを打設する土木構造物と比較すると、品質が良い。この為、中性化や塩化物イオンの浸透が遅くなると考えられてきた。しかし、長年使用していると、強風により曲がった時などに、空隙やひび割れなどの欠損が表面に発生する。これらは、元の状態に戻ると、外観からは確認するのが難しい。コンクリート柱の表面に生じた欠陥の検査方法は、目視による検査や、ハンマーを用いた打音検査が一般的である。打音検査の場合、音を聞き分ける能力が作業者に求められる。近年、深層学習を利用した劣化判断に関する研究が様々な分野で進んでおり、深層学習を利用する事により、コンクリート柱の劣化判断ができれば、作業者の熟練度に依存せず誰でも現場で判別する事が可能となる。
研究の目的
本研究の目的は、打音時にコンクリート内を伝播する音波を深層学習で学習し、コンクリート柱の劣化の判断が技術者の熟練度や周囲の環境に影響されず、誰でも現場で劣化を判別できる学習モデルを作成し、打音検査用の安価なIoTエッジ装置で劣化を判別する事である。今回の研究を通じて、様々な学習データを集め、深層学習の結果が何に注目して判断しているのかが分かってくれば、深層学習に頼らなくてもコンクリート柱内にセンサを内蔵し、コンクリート柱自身が定期的に劣化を判断するような、スマートコンクリート柱の開発にもつながると考えている。
研究・開発内容の概念図
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2020~2022年度研究課題
エネルギー需要科学を考慮した電力需要に関する基礎研究

研究の背景
電力システムをはじめとするエネルギーシステムにおいて、エネルギーを消費するエネルギー需要はシステム全体の性能に大きな影響を及ぼす重要な因子であるが、これまで外生的に与えられることが多く、その構成や挙動を解明することは供給側の研究に比べてあまり着目されてきていない。近年では、建物・地域レベルのエネルギーマネジメントシステム(EMS)が注目されるようになり、エネルギー需要自体をシステムの制御対象と位置付け、管理・調整することが必要となっている。そこで国内においては、エネルギー需要を計画・管理の対象とするための学問領域として「エネルギー需要科学」を位置づけ、エネルギーシステムの性能向上や長期的な革新に向けて、新しい学問領域として「エネルギー需要」が提案されている。海外において注目すると、米国において、エネルギーのConsumerからProsumerへと変化を遂げつつある個人や組織のエネルギー利用、温暖化ガス排出、気候変動、持続可能性に関する行動や意思決定を把握・理解するためのBECC学会などが立ち上げられている。欧州では、スマートグリッドプロジェクトが中心となって、ICTと計測データの活用により、発電から蓄電までのエネルギーシステムの統合と効率的消費の最適化を実施するE-DEMAやエネルギー自給自足を行う住宅を地域単位で制御するセルラー制御方式(Cellular control concept)などが提案され実施されつつある。
研究の目的
エネルギー需要を国土レベルのマクロなエネルギー需要として見る場合は、GDPなどの経済指標と、床面積、所帯数や人口などの人口学的指標を基にその予測が実施されてきた。一方でミクロレベルでのエネルギー需要は、時系列予測手法を用いて、これに気温などの要因を加味してその予測が実施されている。しかし実際にエネルギーを消費するのは種々のエネルギー消費機器であるにも拘らず、機器のエネルギー消費やその操作のレベルにまで分解して需要を論ずる研究はこれまで余り見られなかった。本研究では、エネルギー消費について、これまで取り組んできたエネルギーマネジメントシステムについて、経営学の行動経済学を組み込むことにより、人間の意思をも考慮したエネルギー需要科学として、研究を実施するものである。具体的には、3LDKあるいは1LDK程度の住宅や大学講義室などを例として、社会および環境におけるエネルギー消費に関してデータ収集するとともに、エネルギー需要のモデル化とエネルギー需要に対する影響要因の解明を行うことを目的とする。
研究・開発内容の概念図
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2017~2021年度研究課題
人にやさしい遠隔操縦付き自動運転車開発プロジェクト
AIT Project on Human‐friendly Autonomous Vehicle with Remote‐control: HAVRec

研究の背景
近年、過疎地や都心部で運転免許を返上した高齢者の交通手段として市街地における自動走行車の実現は急を要する。しかし、現在研究が盛んな完全自動走行車の多くは、高速道路や自動走行車用のインフラ設備が整った限定空間での実現が優先されている状況である。自転車や歩行者、他の自動車が多く行き交う市街地では、様々な状況を想定すると安全保証のための技術的課題が多岐に亘る上、各々のレベルが著しく高いからである。自動走行車をめぐるこのような需要と供給のずれに対し、通常時の車両制御や障害物検知等の周辺監視は現状の技術の範囲で自動走行車自身が行い、それが持て余す状況においては遠隔地の監視者に状況判断・遠隔操作を求める形態の自動走行車も検討が始まっている。しかし、現状の完全自動運転における遠隔操縦は非常時における緊急手段的な意味合いが非常に強く、未解決・未着手な課題が多数存在する。
研究の目的
本研究では「人間が得意とすることは人間が、機械が得意とすることは機械が行う」という概念に基づき、自宅敷地内や駐車場といった、時に交通ルールに反した運転が必要とされる「ラスト100ヤード」の走破を目指した遠隔操縦付き自動運転システムの実現を目指す。更に、本研究では「人にやさしい」をキーワードに、【1】遠隔操作する操縦者の負担が軽い、【2】自動運転車の搭乗者が安心して乗ることができる、【3】自動運転車の周囲に存在する他車、自転車、歩行者が自動運転車に安心感を持てる、遠隔操縦付き自動運転システムの実現を目指した要素技術並びに全体システムの開発を行う。上記研究の実機プラットフォームとして、豊田市より貸与頂いた一人乗り電気自動車「COMS(コムス)」を使用する。
想定する遠隔操縦付き自動運転車の研究・開発内容の概念図
  • 想定する遠隔操縦付き自動運転車の研究・開発内容の概念図
研究報告
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