「未来の環境を創造する『でんき・みず・くうき』の活用」をテーマに開催された年建築設備士の日記念学生コンペ(一般社団法人建築設備技術者協会中部支部主催)で、電気学科の電力システム工学研究室(雪田和人教授、津坂亮博講師)に所属する4年生の4チームが、最優秀賞1件、佳作2件、奨励賞1件を受賞しました。

 最優秀賞に輝いたのは、山田響生さん(三重県立四日市工業高校出身)、山田尚幸さん(愛知工業大学名電高校出身)らの「次世代の港づくり ~合成燃料を使った脱炭素港~」です。この作品は、港におけるタグボートの電動化と無線給電、自動運転、電源として合成燃料による発電、太陽光発電を利用することにより、港湾運用のカーボンニュートラル化と人手不足解消を提案しています。また、合成燃料による発電は現行の火力発電設備を転用できるため、発電手法の経済的な転換が可能となり、発電時に生じる温排水は魚などの養殖に用いることで、養殖業の活性化も期待できる提案です。

 佳作を受賞したのは、服部広歩さん(愛知県立知立東高校出身)、石川結士さん(愛知県立刈谷工業高校=現:愛知県立刈谷工科高校=出身)、神谷颯人さん(愛知県立小坂井高校出身)、笠井瑠斗さん(名鉄学園杜若高校出身)、苅谷洋紀さん(愛知県立安城東高校出身)らの「Advanced Smart Community~未来に残る街づくり~」と、柴田晃佑さん(愛知県立豊橋東高校出身)、柴田隼弥さん(愛知県立岡崎西高校出身)らの「動くライフライン 再生可能エネルギーで生き抜くトレーラーハウス」です。

服部さんらの作品は、持続可能な生活を実現するための集合スマートハウスの紹介について、光に反応して空気清浄機の役割をする多機能太陽光発電技術と、全固体電池を用いた大容量の蓄電池を導入し、AI 制御による自律的な電力管理のもと、各機器へワイヤレスで電力を送電するこのシステムにより、再生可能エネルギー電源を無駄なく、効率よく利用する提案です。

 柴田さんらの作品は、自然災害によるリスクを最小限に抑え、災害時にも安心して生活できる環境を提供するために、再生可能エネルギーを利用して電力を供給し、空気から水を抽出する技術により安定した水源を確保できる、自立した生活が可能なトレーラーハウスを提案しました。

奨励賞は、井戸楓真さん(愛知工業大学名電高校出身)、吉田悠希さん(愛知県立知立東高校出身)、豊田昂大さん(愛知工業大学名電高校出身)、岡崎紗季さん(愛知工業大学名電高校出身)、河邉拓磨さん(愛知県立安城東高校出身)らの「空を永遠に飛べる飛行都市」が受賞しました。

 作品は、「太陽光発電」が飛躍的に発展した未来における航空産業について思案しており、科学技術のさらなる進展により航空機内に都市が形成され、その航空機は、地上に敷設された太陽光発電装置からのレーザーにより電力が供給されている未来を提案しています。

  受賞学生たちは、「今回の作品で思い描いたような社会を実現できるよう、この受賞を糧に、今後も勉学や研究活動に励みたいと思います」「現実的に考えれば、さまざまな課題がありますが、童心に思い描いた夢を忘れないことが大切だと思い応募しました」などと喜びを語っています。

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最優秀賞に輝き賞状を手にする山田響生さん

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佳作の賞状を手にする服部広歩さんらのチーム

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佳作の賞状を手にする柴田晃佑さんらのチーム

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奨励賞の賞状を手にする井戸楓真さんらのチーム