一般社団法人日本商環境デザイン協会中部支部が主催する第4回中部商空間賞学生部門で、大学院博士前期課程1年の岡田大輝さん(愛知県立刈谷北高校出身)が銀賞を受賞しました。

 中部エリアの大学院生、大学生、専門学生による授業の設計課題で行われた商業施設に関わる作品を対象とするコンペで、建築社会システム研究室(野澤英希建築学科教授)に所属する岡田さんは、作品「製作都市 -豊田市中心部におけるFab施設を拠点とした市民による交歓空間の創出-」を提出しました。

 これは、製作都市として市民がまちを整備していく提案です。まちづくりに対し、一番よく利用している住民が参加しない、取り組まないことに違和感を覚えていました。なぜ参加しないのか、などの理由をアンケート調査から把握し、市民が参加できる仕組みを作ります。形と行為を研究結果から定義づけし、まちづくりの方針として定めました。豊田市の豊かな森林資源やものづくり産業による技術などをふんだんに使用することにより、豊田市ならではの市民参加型のまちづくり方法、および拠点となります。拠点施設は、Fab施設という3Dプリンターやレーザーカッターなどを一般の方でも使用しやすく高精度なものが製作できるような大きな空間を提案します。この拠点を中心に住民が集い、自分たちの技術や知恵を話し合いながら豊田市が発展していくことを展望します。

 受賞にあたって、岡田さんは「卒業設計をブラッシュアップし、また発表できる機会を得られたことと共に、まだまだ良い案にすることができる可能性も感じたので、今後も精進していけたらと思います。模型などのお手伝いをしていただいた後輩方に感謝申し上げます」と話しています。

 岡田さんの「製作都市~」の取り組みは、一般社団法人日本建築まちづくり適正支援機構のJCAABE建築まちづくりデザイン・コンクール 2024でも入賞しました。「こちらは卒業設計を日常と非常時に対して考えたらどのような提案になるだろうと感じ、応募しました。矢作川が近いなど、自然災害や予測不可能な問題などが発生した場合はどう対処するのかを考えた先に、研究で得たフォリーをどのように組み合わせて提案をすればよいかに行きつきました」と話しています。

賞状を手にする岡田さん
賞状を手にする岡田さん