このたび、工学研究科 博士前期課程 電気電子情報工学専攻の光量子デバイス研究室(電気学科 五島敬史郎教授)に所属しておりました椋橋健太さん(20213月大学院博士前期課程修了)と三浦進さん(20223月大学院博士前期課程修了)らが取り組んだ研究が、WILEY社が発刊する学術研究論文誌の2024年度最も読まれた論文TOP10%に選出されました。

 彼らが取り組んだのは、次世代通信として期待されるテラヘルツ通信の研究です。テラヘルツ通信とは、スマホなどに利用されている現在の5G通信の数10倍の情報処理能力を持ちます。しかし、テラヘルツ通信用の送受信機の性能が悪く実用化を阻んでいます。

 彼らは、このテラヘルツ送受信機の小型化と高出力化に取り組みました。まず半導体材料に新材料(窒化ガリウム)を採用する事、そして送信機内に新構造をμmレベル(μ=1mm1/1000)で組み込むことにより、小型化(ペン先ほどの大きさ)と大幅な出力アップが可能であることを示しました。これらの成果を論文タイトル「Analysis of terahertz double dielectric structure patch antenna using nitride semiconductors」としてまとめて、今回の快挙につながりました。第一著者である三浦さんは「共同研究者や椋橋さんとの研究が評価してもらえていることが非常に嬉しいです。」とコメントしています。

彼らはこの研究がきっかけとなり、国内大手の半導体会社に就職しご活躍されています。

椋橋さん(左)、三浦さん(右)
椋橋さん(左)、三浦さん(右)
研究成果の一部抜粋(テラヘルツ放射パターン)
研究成果の一部抜粋(テラヘルツ放射パターン)