このたび、工学研究科 博士前期課程 電気電子情報工学専攻の電力システム工学研究室(電気学科 七原俊也教授)に所属していた山田康暉さん(20243月大学院博士前期課程修了)の論文が、WILEY社が発刊する学術研究論文誌であるElectrical Engineering in Japan(電気学会論文誌に掲載された和文論文の一部を英語に翻訳・掲載している論文誌)で2023年に掲載された論文のうち1年間に最も読まれた論文TOP10%に選出されました。

 彼が取り組んだのは、太陽光・風力発電などのインバータを使用した電源の力率制御についての研究です。近年、太陽光・風力発電などのインバータ電源の導入量が増加傾向にあり、電圧変動等の問題が生じています。現在でもこれに対し、インバータの力率を制御するといった対策が取られています。しかし、インバータの力率をどのような設定値とすれば良いかについては、十分に明らかとなっていません。

彼は、このインバータ力率の設定値について電力系統の抵抗とリアクタンスをパラメータとした新しい選定法を提案しました。この成果を論文タイトル"Power factor control for inverters under high penetration of distributed generation"としてまとめて、今回の快挙につながりました。第一著者である山田さんは「初めての学術論文を多くの方に読んでいただき、そして評価していただけたこと非常に嬉しく思っています」とコメントしています。