8月23~24日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)横須賀本部で開催された国内最高レベルの水中ロボット競技会「水中ロボットコンベンション in JAMSTEC 2025」に、本学の学生チャレンジプロジェクト「海洋探査ロボットプロジェクト」(指導教員・内田敬久機械学科教授)から6チームが参加し、ビデオ部門優勝・準優勝、フリー部門で準優勝などの成績を収めました。
 同コンベンションには、機械学科と電気学科の学部生・院生たちが参加を続けており、優勝などの成績を収めた2020年大会以来、5年連続での成果となりました。古橋秀夫電気学科教授は、水中ロボットコンベンション in JAMSTECの運営委員としても参加しています。

開催日
2025823日(土)・24日(日)

場所
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)横須賀本部

参加者

  • 知的計測制御研究室(古橋秀夫電気学科教授)         
    大木 貴生さん(工学研究科博士前期課程電気工学専攻2年)
    羽木 大騎さん(工学研究科博士前期課程電気工学専攻1年)
    阪田 拓斗さん(工学研究科博士前期課程電気工学専攻1年)
  • 知能集積システム研究室(内田敬久機械学科教授)
    丸山 裕介さん(工学研究科博士前期課程機械工学専攻2年)
    水野 雄斗さん(工学研究科博士前期課程機械工学専攻1年)
    杉本 幸太郎さん(機械学科機械創造工学専攻4年)
    松永 育也さん(機械学科機械創造工学専攻2年)

機体内容
Return Zero

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スクリュー推進方式を採用したホバリング型機体である。4 つのスクリューと可変バラスト機構を搭載し水平方向移動と上下移動の 4 自由度の動作を行う。可変バラストによる上下方向の移動を採用することで、スクリューによる上下移動と比較して低消費電力と高い安定性を実現している。可変バラスト機構について、システム同定を行い、パラメータを導出し制御することで任意の深度でホバリング行う。スクリューの回転速度とバラストの調整を組み合わせることで、精密な位置制御が可能であり、安定した動作を実現する。この機体は、水中環境における精密な作業にも対応できる設計となっている。また、機体搭載センサーは深度カメラ、深度センサー、IMU、ソナー等がある。

Urashima

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水中環境での調査や探索を想定して開発したウミガメ型の生物模倣ロボット。前肢 2 つと後肢 2 つを用いて前進、旋回、潜水、浮上などの動作を行う。前肢にはそれぞれ 3 軸を設けており、実際のウミガメに近い可動域を有している。羽ばたきの軌跡もウミガメの観察に基づいて作成し、安定した遊泳が行える。また、前肢のフラッピングは一枚板ではなく、細かく分割してあるため滑らかなねじれ動作を実現している。ウミガメが持つ流体特性により、消費エネルギーが低いため長時間の連続動作に適している。ROS2 によりゲームコントローラから有線で操縦を行う。今後は機体前方に小型カメラを取り付けて実際に調査に使用できるような状態にすることも視野に入れている。

テトロン

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テトロンは 4 つのスラスター、制御用基板、カメラ、バッテリーを搭載し、テザーケーブルを介して遠隔操作可能な船底検査用ロボットです。テトロンの形状は正四面体で、各面には目的に合わせて様々な機能を持ったモジュールを取り付けることができます。また、頂点を先頭に進むことで、他の多面体よりも少ない抵抗で進むことができます。各頂点にスラスターを搭載したことで、最小限のモーターの数で全方向に自由移動ができます。また、カメラは1自由度で 70 度の範囲に動かすことができ、広い視野を得ることができます。制御用の基板は Jetson nano を使用しており、複雑な処理を行うことも可能になっています。

LEGNO(レグノ)

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LEGNO はヒレ推進とロボットアーム有する水中ロボットであり、水中での生態系調査や水底調査を目的としている。左右についた4つのヒレにより、6 自由度の動きが可能である。また、水底調査を行うための双腕アームが底面についており、大小様々な調査対象の保持が可能である。主な推進原理は、ローイング(前後)運動と羽ばたき運動を用いた推進で、速度域や推進方向により適切な推進原理を使用する。カメラは前方と下部に搭載される。制御はミニ PC とマイコンを使用し、テザーケーブル経由で操縦用 PC からリモートデスクトップを通じてコントローラーによって操縦する。

成績

  • ビデオ部門
    優勝「テトロン」
    知能集積システム研究室(内田敬久機械学科教授)
    機械学科機械創造工学専攻2年・松永育也
    準優勝「LEGNO(レグノ)」
    知能集積システム研究室(内田敬久機械学科教授)
    機械学科機械創造工学専攻4年・杉本幸太郎
  • フリー部門
    準優勝「Urashima」
    知的計測制御研究室(古橋秀夫電気学科教授)
    工学研究科博士前期課程電気工学専攻1年・羽木大騎 
    工学研究科博士前期課程電気工学専攻1年・阪田拓斗
  • AIチャレンジ部門
    予選通過「Return Zero
    知的計測制御研究室(古橋秀夫電気学科教授)         
    工学研究科博士前期課程電気工学専攻2年・大木貴生

参加者の声
知能集積システム研究室(内田敬久機械学科教授)
工学部機械学科機械創造工学専攻2年・松永育也
ものづくりが好きでロボットアート部と内田研究室に属しています。今回の研究開発したロボットは短期集中で開発を一人でおこないました。プロジェクトの先輩方のサポートを受けながらコンペティションに参加するこができ結果につながりました。今後は機体のコンセプトでもある全方向推進を進化させていきたいと思います。

参考URL
水中ロボットコンベンション in JAMSTEC 2025

メンバーの集合写真
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会場風景
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調整中
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