学会・大会名
2025 IEEE 14th Global Conference on Consumer Electronics (GCCE 2025)

受賞日
2025年9月25日

研究室(指導教員)
モバイルコンピューティング研究室(内藤彩乃 情報科学科教授)

受賞者 渥美岳大さん
経営情報科学研究科 博士前期課程 経営情報科学専攻2年
受賞名 IEEE GCCE 2025 Excellent Student Paper Awards Gold Prize
受賞テーマ A BLE-Based IoT Sensor Module Framework for Concurrent Multi-Application Access
研究目的 本研究の目的は、IoTセンサモジュールがスマートフォンアプリなどと連携して周囲の環境をセンシングできる便利なデバイスである一方で、現状では特定のサービス専用であり、複数のアプリケーションが同時に利用できないという課題を解決することです。Bluetooth Low EnergyBLE)通信を活用した新しいフレームワークを提案し、1つのIoTセンサモジュールを複数のIoTサービスが同時に共有・利用できる環境の実現を目指しました。
研究内容 本研究で提案するフレームワークは、ユーザが定義した条件式の評価結果をブロードキャスト通信によって複数のIoTサービスへ同時に送信できる機能を備えています。また、必要に応じて詳細なセンサデータを個別に取得することも可能です。BLE用のSystem on a chip(SoC)であるCYBLE-416045-02を搭載したIoTモジュール上に実装して評価を行った結果、最大16アプリケーションからの同時アクセス時にも通信成功率95%以上を維持できることを確認し、提案手法の実用性を示しました。
今後の展望 現在のフレームワークは、実装を行ったIoTセンサモジュール(CYBLE-416045-02ボード)の使用を前提としたコード構成となっています。今後は、使用するハードウェアの違いを吸収するHardware Abstraction LayerHAL)を導入し、より多様なマイコンボード上で動作可能な汎用的フレームワークへ改修することを目指しています。
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受賞者 須田倫代さん
経営情報科学研究科 博士前期課程 経営情報科学専攻1年
受賞名 IEEE GCCE 2025 Excellent Paper Awards Outstanding Prize
受賞テーマ Lightweight Packet Authentication for Security Enhancement in the CYPHONIC Cloud
研究目的 本研究の目的は、CYPHONICCYber PHysical Overlay Network over Internet Communication)クラウドにおけるセキュリティを強化し、クラウドの規模拡張性を維持しつつDoS攻撃に耐えうる仕組みを導入することです。CYPHONICは、インターネット上で端末間通信を実現する技術であり、端末情報を管理するクラウドは外部からのDoS攻撃などによりサーバダウンするリスクを抱えています。そのため、クラウドの安全性と可用性を確保することが課題となります。
研究内容 本研究では、CYPHONICクラウドのセキュリティを強化することを目的として、簡易パケット認証手法を提案しました。提案手法では、有効期限付きトークンを各パケットに付与し、クラウド側でそのトークンを検証することで、正規パケットであることを確認し、攻撃時の被害を低減できます。評価実験では、不正な遅延パケットを送信する攻撃を想定し、CYPHONICクラウドがサービス提供に支障をきたさない範囲でパケットを破棄できることを確認しました。
今後の展望 今後の展望としては、攻撃被害を低減する簡易的なパケット認証に加え、パケット自体の正当性を検証する仕組みの導入が求められます。また、本提案手法をCYPHONICに組み込んだ際のサービス提供やシステムパフォーマンスへの影響についても、詳細な評価が必要と考えています。
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