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電気電子工学専攻の院生が学会奨励賞を受賞

2017.06.09 受賞・表彰

 電気学科の雪田和人教授・松村年郎教授の「電力システム工学研究室」に所属する濱仲真和さん(大学院工学研究科博士前期課程1年電気電子工学専攻)が、昨年11月の日本太陽エネルギー学会・日本風力エネルギー学会合同研究発表会で発表した論文「GaN半導体を用いた太陽電池用昇降圧MPPTの開発」により、日本太陽エネルギー学会の2016年度奨励賞(学生部門)を受賞しました。

 濱仲さんはGaN(窒化ガリウム)半導体を用いた昇降圧MPPTを開発し、既存のSi(シリコン)半導体を用いたMPPTと、性能を比較検討しました。

 MPPT(Maximum Power Point Tracking=最大電力点追従)とは、太陽電池において最も発電電力が高い点を探して出力する制御装置です。その際、太陽電池の電圧は変動するので、入力(太陽電池)側の電圧から出力側への電圧を制御するためにDC/DCコンバータを用います。今回は、そのDC/DCコンバータ部分を、GaN半導体を用いたFET(電界効果トランジスタ)によって製作しました。

 GaN半導体はSi半導体に比べてオン抵抗(電流が流れているときの抵抗)が小さく、高温下でも動作します。これらの特性による変換効率の向上を期待し、製作したMPPTにより日の出から日の入りまでの発電特性の測定を行った結果、Si半導体を用いたMPPTに比べて降圧モード(太陽電池よりも出力側の電圧が低い)において約1%効率が改善し、昇圧モード(太陽電池よりも出力側の電圧が高い)においては約0.6%の効率改善が確認できました。

 繰り返し行った測定では、日の出前の真夜中に起床して準備に取り掛かるという苦労がありました。学会の総会が開かれた5月29日に表彰を受けた濱仲さんは「頑張った甲斐がありました」と喜びを語りました。

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