NEWS詳細

ナノテク研究室の別府幸さんが日本機械学会東海支部フェロー賞を受賞

2019.11.18 受賞・表彰

 機械学科のナノテク研究室(生津資大教授)に所属する大学院工学研究科博士前期課程2年の別府幸さんが、「SEM内引張試験技術を用いたカーボンナノチューブの強度計測」と題した講演により、日本機械学会東海支部第68期総会講演会フェロー賞を受賞しました。

 軽量、かつ高強度なナノメートルサイズの炭素材料であるカーボンナノチューブは、宇宙エレベーター(地上から静止軌道以上まで延び、宇宙空間への進出手段として構想されるエレベーター)などを実現させる構造材料物質として注目されています。

 別府さんは、ERATO伊丹分子ナノカーボンプロジェクトの伊丹健一郎研究総括(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所拠点長/教授)と本学の生津教授らのグループが取り組む研究の中で、ナノテク研究室が独自に開発した微小電気機械システム(MEMS)デバイスと電子顕微鏡内サンプリング(抽出)技術を用い、炭素の並び方を同定した単層カーボンナノチューブの引張試験を担当しました。

 フォーク状の微細なマニピュレーターを考案してのナノサイズの試験片の移設など、困難な作業を重ねながら測定した結果、直径が小さく、カイラル角度(炭素の並び方の角度)の大きなカーボンナノチューブが高強度であることが明らかになりました。さらに構造材料としての実用化に向け、単層カーボンナノチューブが2本の束になったバンドルカーボンナノチューブの引張試験も行い、1本当たり同等の強度を得ることができました。

 「試験片を持ち上げるときに見失ったり、 切れてしまったり。測定までにたどり着かないことがほとんどでした」と苦労を振り返る別府さんは「努力が報われて大変うれしく思います。指導してくださった生津先生、JST-ERATO伊丹分子ナノカーボンプロジェクトの皆様のおかげです」と喜びをかみしめています。

  • 日本機械学会若手優秀講演フェロー賞を受賞した別府幸さん
PAGE
TOP