NEWS詳細

国際シンポジウム「2019 iSNST」で院生がExcellent Poster Award

2019.12.18 受賞・表彰

 台湾の南台科技大学で121213日に開催された「 International Symposium on Novel and Sustainable Technology (新規かつ持続可能な技術に関する国際シンポジウム=2019 iSNST)」で、有機ELデバイスの研究をテーマにポスター発表を行った大学院工学研究科博士前期課程2年の青山悟さんがExcellent Poster Awardを受賞しました。

 電気電子材料研究室(森竜雄教授)に所属する青山さんは、「Investigation of Electrical Conduction of mCP and mCBP Thin Films Used to TADF OLEDsTADF有機EL素子に利用されるmCPmCBP薄膜の電気伝導の研究)」と題してポスター発表を行いました。  

 ディスプレイに広く利用されるようになった有機ELデバイスに関して、青山さんは次世代の有機EL素子として注目を浴びる熱遅延化蛍光(thermally activated delayed fluorescence : TADF)材料の研究を進めています。有機ELデバイスは、発光層が陽極と陰極の間にはさまれた構造となっており、発光させるためには、それぞれの電極から、電荷の担い手(キャリア)となる正孔(電子の空孔で正電荷)と電子を注入しなければなりません。熱遅延化蛍光材料などの素子に用いられるキャリアの輸送材料は、十分に研究されておらず、大学の基礎研究として重要な課題になっています。

 青山さんの研究では、濃度消光(分子が近接すると発光しなくなる)を避けエネルギーを発光材料に受け渡す役割を担うホスト材料や、キャリア輸送材料として利用されているmCPmCBPに着目し、電気伝導の研究を行ないました。正孔輸送材料であるa-NPDmCPmCBPという素材の利用を組み合わせた積層素子の電気伝導を調べることにより、界面での電荷の蓄積や電気伝導を初めて明らかにしました。今回の受賞は、そのような物理的な解析が評価されました。

 実験で得られたデータから作製した素子がどのようなメカニズムで駆動しているかをイラストにしたり、計算式に当てはめたりと、試行錯誤を繰り返したという青山さんは「時には自分が考えたモデルについて森先生と議論し、その度に助言をいただきました。その結果の受賞で、熱心に指導していただいた森先生に心からお礼を申し上げます。残りの期間も日々精進していきたいと思います」と喜びを話しています。

  • Excellent Poster Awardに輝いた青山悟さん
PAGE
TOP