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車椅子移動認識の研究で学生奨励賞

2020.04.03 受賞・表彰
  • 学生奨励賞を受賞した大鐘勇輝さん

 情報科学科のユビキタス情報処理研究室(梶克彦准教授)に所属する大鐘勇輝さんが、情報処理学会第82回全国大会(3月5~7日オンライン開催)で「車輪に取り付けたBLEビーコンによる車椅子移動認識の基礎検討」と題して発表を行い、学生奨励賞を受賞しました。受賞時3年の大鐘さんはモバイルアプリケーションの学生セッションに参加し、発表者9人の中で最も高い評価を得ました。

 同研究室では、BLEBluetooth Low Energy)ビーコンを家電や家具などモノの中に直接入れ、 状態によって変化する電波強度をもとにモノの状態推定を行う研究を行ってきました。しかし、この先行研究では「閉まっている」「開いている」というように二値の変化のみを対象としており、 変化が二値でない、 たとえば回転動作をするモノは状態推定ができないという問題がありました。

 複数の状態を持つモノの状態推定を目的に、本研究では、回転動作のある車椅子を対象に選びました。BLEビーコンを車椅子の車輪に貼り付け、車椅子背面に設置したスマートフォンで電波をモニタリングし、受信電波強度から移動を推定できるか検討を行いました。実験により、高い精度で推定可能という結果が確認されました。老人ホームなど、介護施設での入居者の運動量推定への応用が期待されます。

 受賞を受け、大鐘さんは「コロナウイルス感染予防の観点から今大会は初のオンライン開催となり、少し戸惑うこともありましたが、発表練習を重ねることで画面越しでも分かりやすく発表することができたと思います。これを励みに、今夏に参加予定のDICOMO2020でも、より一層頑張りたいと思います」と喜びを話しています。

 このほか同研究室からは、この春に大学院博士前期課程を修了した宮脇雄也さんも「こだわり行動からの切替促進システムによる長期支援と支援者への効果」の研究で情報処理学会アクセシビリティ研究会第12回研究会の学生奨励賞を受賞しました。これは昨秋の国際学会IWIN2019でStudent Awardを受賞した研究を継続したもので、半年程度の長期的なシステム利用によって、どのような効果が現れたかをまとめたものです。宮脇さんは東京都立大学の博士課程に進学し、引き続き研究を進めます。

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