第8回学生スマートフォンアプリコンテスト(情報処理学会MBL研究会・CDS研究会・UBI研究会主催)で、情報科学科のユビキタス情報処理研究室(梶克彦准教授)に所属する水草創斗さん(4年)、水野脩也さん(4年)、宮澤彩花さん(4年)が、それぞれ受賞しました。
水草さんは、「胸に手をあてて」と名付けたアプリで最優秀賞を受賞しました。
これは、気圧センサを搭載したスマートフォンと、生活の身近にあるZiplocなどの密封できる袋のみを用いて、今までよりも手軽に心臓マッサージの練習ができるというアプリです。アプリの仕組みは、袋の中にスマートフォンを入れ、外から心臓マッサージをするように押し込みます。それによる気圧の変化を内部のスマートフォンで捉え、押し込みの強さ・テンポを推定していき、練習中にも見ながら調節できるようアプリ画面にリアルタイムかつグラフィカルにフィードバックしています。
水野さんは、「Drunk camera-見えるぞ、わたしにも酔いが見える!」と名付けたアプリでアイディア賞を受賞しました。
このアプリでは、飲み会などのお酒を飲む機会で自撮りを行い、自分がどの程度酔っているかを判定します。視覚的に状態がわかるので、コミュニケーション促進や飲み過ぎ防止を手助けします。どの程度酔っているか判定する要素として、人はアルコールを摂取するとふらついたり、顔が赤くなったり、さまざまな変化が現れます。このアプリでは顔が赤くなる変化を利用しています。アプリの仕組みとして、自撮りを行い、その画像から顔の赤みを抽出します。抽出した赤みの値を参考にして、独自に収集した、顔の赤みとアルコールの相関と比較、酔いの状態を判定し、アプリ画面に判定結果を表示します。
宮澤さんは、「気圧系すてっぷ」と名付けたアプリで奨励賞を受賞しました。
これはスマートフォンに搭載されている気圧センサのデータから活動量推定を行うアプリです。活動量の推定には通常、加速度センサで歩数、気圧センサで高さ遷移のデータを取得しますが、このアプリでは気圧センサのみで歩数と高さ遷移のデータを取得し、活動量の推定を行います。アプリの仕組みは、取得した気圧センサのデータにローパスフィルタをかけることで歩行成分と高さ成分に分けて、歩行成分から歩数、高さ成分から高さ遷移を取得し、階段部分の判定を行い、平地部分と階段部分の活動量を分けて計算することができます。
今回の受賞を受け、学生たちは「先生や研究メンバーの意見や支えがあっての受賞です」「これを励みに研究を進めていけたら」「自分が作ったものを誰かに評価していただくことも初めての経験」と喜びを話しています。