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今春卒業の院生2人が技術委員奨励賞を受賞

2020.11.07 TOPICS

 今年3月に大学院工学研究科博士前期課程を修了した卒業生2人が、2019年度の「電子・情報・システム部門 電子回路研究会」で発表した研究成果が認められ、同部門技術委員奨励賞を受賞しました。

受賞したのは、電気学科の光量子デバイス研究室(五島敬史郎教授)に所属していた伊藤裕也さんと増淵友一さん。賞は今年11月に贈られました。

 増淵さんの発表題目は「BNNに特化した超小型プロセッサの疑似命令における集積回路解析」です。人工知能(A・I)を利用したアプリケーションを実現するための集積回路(LSI)は、これまで非常に大規模なものでした。そこで、ハードウェアを一から見直してA・I機能を搭載した超小型LSIの設計に取り組み、その成果を発表しました。

 伊藤さんの発表題目は「極低温動作において広い同相入力電圧範囲を持つダイナミックコンパレータの設計と試作」です。IoT社会に必要不可欠な、アナログーデジタル(A/D)変換回路の構成要素であるコンパレータ回路について、従来の低消費電力を維持しつつ、入力できる電圧の範囲を大幅に拡張可能な電子回路のデザインを考案し、その特性を評価した結果を発表しました。

 受賞を受け、増淵さんは「研究の難しさは、大規模なアルゴリズムをいかにシンプルに実現するかという点にあり、そこで評価をいただけたことを非常にうれしく思います。今後も研究を発展させ、スマートウォッチなどの身近なデバイスで役立つことを期待したい」と話しています。伊藤さんも「研究で獲得した知識・技術を生かし、企業でより一層頑張ります」と抱負を語っています。

 「電子・情報・システム部門 電子回路研究会」は、電気学会、電子情報通信学会、情報処理学会などの電気・情報分野が共同で開催しています。増淵さんと伊藤さんは、多くの機会でこの研究発表会に参加し、これらの功績も受賞につながりました。現在、2人とも日本を代表する大手電気系企業に就職し、LSI研究開発部門で働いています。

  • 伊藤裕也さん
  • 増淵友一さん
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