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機械工学専攻の院生が「第15回わかしゃち奨励賞」優秀賞を受賞

2021.02.02 受賞・表彰

 大学院工学研究科博士前期課程機械工学専攻2年の前川夏菜さんが、「発熱多層膜のレーザー反応誘起技術とクラックフリー瞬間接合」の研究で、愛知県若手研究者イノベーション創出奨励事業「第15回わかしゃち奨励賞」優秀賞を受賞しました。

 前川さんは、微小な外部刺激で瞬間的に自己発熱するAl/Ni(アルミニウム・ニッケル合金)自己伝播発熱多層膜を用い、0.1秒未満で半導体のウェハ接合を完了する独自技術の開発に取り組んでいます。プロセスタイムとコストを大幅に削減できる省エネかつエコな技術ですが、接合部内にクラックが形成されるのが課題でした。

 前川さんは、多点に対して同時にレーザー反応を誘起するシステムを新たに構築し、クラックが形成される位置を制御する技術に挑みました。これまで明らかになっていなかった、レーザーを用いたAl/Ni多層膜の反応特性を突き止め、2点のレーザー照射位置の中央から±0.5mmの範囲へのクラック形成に成功。ウェハ接合後、賽の目状に形成したクラックの上を切断し、クラックのないデバイスチップを実現しました。

 自分の考えを形にするため新しく装置を作製したという前川さんは、未知の反応特性を明らかにする困難な作業を振り返り、「次世代の半導体デバイスチップ製造工程に一石を投じる新技術になると考えています。日々指導してくださった先生方や研究室の皆様の支援あってこその受賞です」と喜びを話しています。

  • わかしゃち奨励賞優秀賞を受けた前川夏菜さん
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