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ユビキタス情報処理研究室の院生2人がDICOMO2021で優秀論文賞ほか

2021.10.26 受賞・表彰

 情報処理学会の「マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO)2021シンポジウム」で、ユビキタス情報処理研究室(梶克彦准教授)に所属する大学院経営情報科学研究科博士前期課程1年・大鐘勇輝さんが優秀論文賞とヤングリサーチャー賞、同・宮川信人さんが優秀プレゼンテーション賞を、それぞれ受賞しました。

 大鐘さんの発表テーマは「BLEビーコンを用いた車椅子使用者における活動量及び自走・介助の判定手法」です。この研究は、BLEビーコン(Bluetoothの電波を発するビーコン)を用いて、車椅子使用者の活動量や、自走しているのか介助されているのかを判定するという取り組みです。通常、活動量の推定には加速度センサといったモーションセンサが使用されますが、これらの手法は車椅子使用者を対象とすることがなく、導入・運用コストが高いという問題がありました。そこで本研究では、車椅子使用者を対象とした低コストなモニタリング手法を目指し、その基礎検討としてBLEビーコンを用いた活動量と自走・介助の判定手法を提案しました。

 大鐘さんは「DICOMOに2019年から参加しており、3回目の今年こそはという思いで臨みました。2つの受賞を本当に嬉しく思います。今年もコロナ禍の影響でオンライン開催でしたが、引き続き研究に励み、来年は現地発表で結果を残せるように頑張っていきたいと思います」と話しています。

 一方、宮川さんは「時空間フェンシングに基づくクラウドセンシングプラットフォームの構築」と題して発表しました。クラウドセンシングとは、たくさんの協力者の端末からセンサのデータを取得し、今まで見えなかった実世界の様相を把握しようという試みです。たとえば、あるテニスの授業で受講した全生徒のバイタルデータが取得できれば、その授業のフィードバックがより豊かなものになります。しかし、クラウドセンシングのシステム構築には大きなイニシャルコストとランニングコストが発生してしまいます。近年では、高性能なセンサが多く搭載されたスマートフォンが広く普及しているので、このセンサを利用して、システムを1から構築せず手軽に実施できるクラウドセンシングシステムのプラットフォーム化に向け、時空間フェンシングという概念を提案しました。本学会では、時空間フェンシングを軸にシステムの提案と実装を行い、その成果を発表しました。

 宮川さんは「初めて参加したDICOMOは、主催の方々の工夫や他の参加者の方々の活気も相まって広く深い知見の得られる学会であったと感じました。自分たちが一生懸命に研究してきた成果を優秀プレゼンテーション賞という形で評価していただけたことを心から嬉しく思います。より一層身を引き締め、今後も頑張って行こうと思います」と話しています。

  • 大鐘さん「BLEビーコンを用いた車椅子使用者における活動量及び自走・介助の判定手法」
  • 宮川さん「時空間フェンシングに基づくクラウドセンシングプラットフォームの構築」
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