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秋季ばね及び復元力応用講演会で最優秀ポスター賞

2021.11.22 受賞・表彰
  • 賞状を手にする宮本さん

 日本ばね学会主催の2021年度秋季ばね及び復元力応用講演会(11月12日・オンライン開催)で、「超音波ショットピーニングによる傾斜機能TiNi形状記憶合金の機械的特性改善」と題してポスター発表した大学院工学研究科博士前期課程2年の宮本崇志さんが最優秀ポスター賞を受賞しました。

 宮本さんは、機能材料研究室(松井良介准教授)に所属。研究室では、TiNi(チタンニッケル)形状記憶合金の高機能化に対するアプローチの一つとして、材料内部で形状回復温度を徐々に変化させた「傾斜機能TiNi形状記憶合金」を提案しています。本研究では、チタンとニッケルの粉末を焼結※1して作製した傾斜機能TiNi形状記憶合金に「超音波ショットピーニング※2」を施すと、材料内の段階的な形状回復温度変化がより明瞭に現れるようになることを明らかにしました。さらに、「デジタル画像相関法」の技術を応用し、材料を引っ張った際の局所的な変形の大きさを画像データから高精度に解析することに成功しました。

本研究は、東洋精鋼株式会社の服部兼久様、中部大学の加藤章教授との共同研究です。今回の成果により、電源不要の高精度アクチュエータ※3や、柔軟性と高剛性を併せ持つ血管治療器具などへの応用が期待されます。

 同講演会は全国のばね材料研究者、メーカー、ユーザー企業などが参加し、審査は参加者による投票で行われました。受賞に際して、宮本さんは「今まで研究してきた成果が今回の結果に結びつき、共同研究者の方々に感謝いたします。本学で研究できる期間は残りわずかですが、これからの研究でさらなる成果を挙げられるように努力します」と意気込みを話しています。

※1 圧縮された金属粉末を高温で焼き固める加工方法
※2 鋼球を高速で材料に当てて強度を増す表面処理技術
※3 機械的な運動を行うための駆動源となる部品

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