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電気学会電力・エネルギー部門大会で院生がYOC奨励賞

2021.11.25 受賞・表彰
  • YOC奨励賞を受賞した原田浩輔さん

 電気学科の電力システム工学研究室(七原俊也教授)に所属する大学院工学研究科博士前期課程1年の原田浩輔さんが、電気学会の電力・エネルギー部門大会(8月24〜26日・オンライン)で「系統周波数低下時における風力発電の慣性応答の可能性評価」と題して発表し、若手の優秀な口頭発表に対して贈られるYOC奨励賞を受賞しました。

 近年、太陽光や風力など電力系統への再エネ電源が増加していますが、これらの電源はインバータを介して電力系統に接続されることが多く、火力や原子力などの在来型電源と異なる性質を持ちます。その一つに、インバータには周波数を維持する働きを有する「慣性」がないため、これらの電源が増加すると、電源脱落のような系統事故が発生した場合、周波数変動が大きくなり、最悪の場合、広域的な停電(ブラックアウト)に進展する可能性があります。

 一方で、風力発電機には回転体があり、インバータを制御することで回転体に蓄積されていたエネルギーを放出し、擬似的に慣性を具備できる可能性があります。そこで本研究では、風車回転体に蓄積されているエネルギーに着目し、風車から取り出せる最大のエネルギーについての分析を行いました。その結果、風力発電でも定格出力の5~10%、かつ数十秒間程度の出力増加は可能性があることを明らかにしました。

 受賞に際し、原田さんは「今回の研究は、再エネ電源が増加していく中で、電力系統の安定性を確保するための重要なテーマの一つだと考えています。初めての学会発表でこのような賞をいただくことができ、大変光栄に思います。発表当日は数々の専門家から貴重なご助言をいただきました。まだまだ解決すべき課題も多くありますが、受賞を糧に今後も研究に精進していきたいと思います」と喜びを話しています。

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