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院生が電気学会の合同研究会で受賞

2022.03.03 受賞・表彰

 電気学会開閉保護技術委員会主催の「放電・プラズマ・パルスパワー/開閉保護/高電圧 合同研究会」で発表を行った大学院工学研究科博士後期課程2年の津坂亮博さんが、開閉保護研究発表賞を受賞しました。

 電力システム工学研究室(松村年郎教授)に所属する津坂さんは、「高温CO2ガスおよびCO2/O2混合ガスの臨界電界に対するC5F10Oガスの添加効果とPTFE蒸気混入効果の等価性に関する検討」と題して発表しました。

 電気を安全に利用するためには、電気を素早く確実に止める技術(電流遮断技術)が重要であり、特に高電圧・大電流を遮断する際には、ガス遮断器(GCB)が用いられています。GCBは、電流遮断時に電極間に発生するアーク放電にガスを吹き付けてアークを消滅さる装置です。GCBでは一般的にSF6(六フッ化硫黄)ガスが利用されていますが、地球温暖化に対してCO2の約2万5千倍の影響を与えることから、使用を削減すべき対象のガスに指定されています。

そのため、現在、SF6ガスの代わりとなるガスの検討が進められており、CO2やO2、C5F10O(ヘプタフルオロイソプロピルトリフルオロメチルケトン)およびそれらの混合ガスが候補に挙がっていますが、それらの具体的な特性に関して十分に明らかになっていません。本発表では、ガス遮断器のノズル材料であるフッ素樹脂のPTFEがアーク放電によって溶発し、その蒸気が消弧ガス(アーク放電を消滅させるガス)へ混入した場合には、CO2およびCO2/O2ガスへC5F10Oを添加した場合と等価になる条件があることを明らかにしました。

 受賞に際し、津坂さんは「ご指導いただいた先生方や、支えてくださった研究室のメンバー、そして学会の開催、賞の選考に携わった全ての方々にこの場を借りて感謝いたします。受賞を励みに、少しでも社会に貢献できるような研究者になるべく、より一層精進してまいります」と喜びを話しています。

  • 開閉保護研究発表賞を受賞した津坂亮博さん
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