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体腔内全体を俯瞰して可視化するシステムの共同研究を開始

2022.04.07 TOPICS

 本学は、名古屋大学、テクノホライゾン株式会社(本社名古屋市、野村拡伸社長)とともに、体腔内全体を俯瞰して可視化するシステムの共同研究に2022 年度から取り組みます。

 外科手術では、小さな孔から観察用カメラと操作デバイスを挿入して行う低侵襲手術(胸腔鏡下手術)が急速に普及しています。機器と技術が大きく進展する一方、手術中の血管損傷による死亡例が報告されており、その原因の一つに手術時の視野確保の不十分さが挙げられています。

 低侵襲手術では、操作部位にカメラを近接させた拡大画像を確認しながら医療機器を操作することで、正確な手術を可能としています。その半面、近接した映像しか得られないため、死角ができ、その死角からの出血に気づきにくく、発見の遅れにより最悪の場合、死に至るケースも報告されています。

 共同研究では、本学情報科学科の医用画像処理研究室(北坂孝幸教授)が映像処理を担当します。死角問題を解決すべく、複数のカメラによる患部映像のパノラマ化により、体腔内全体を見渡すことで、状態を的確に把握でき、より安心・安全な低侵襲手術の実現を目指します。具体的には、小型カメラを挿入し、データを映像処理プロセッサでパノラマ化し、サブモニターに表示することで、手術器具や臓器の位置を一目で把握することが可能となります。低侵襲手術のほか従来手術とも親和性が高く、広い外科手術分野で多くの患者に適用できると期待されます。

  • システム概要 (体腔内全体を俯瞰して可視化)
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