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ディジタルシステム研究室の研究が国際会議CANDAR 2022で優秀論文賞受賞

2022.11.24 受賞・表彰

 兵庫県姫路市で11月21~22日に開催されたコンピューターとネットワークの国際会議「The Tenth International Symposium on Computing and Networking(CANDAR 2022)」で、電気学科のディジタルシステム研究室(藤枝直輝准教授)が取り組んだ研究がOutstanding Paper Award(優秀論文賞)を受賞しました。

 受賞論文「An HLS implementation of on-the-fly randomness test for TRNGs(真性乱数生成器のための即時的な乱数検定回路の高位合成による実装)」は、豊橋技術科学大学との共同研究の一環として実施した研究で、今年春に本学を卒業した同研究室の大矢龍聖さんと藤枝准教授らが参加して取り組んできました。

 本論文は、真性乱数生成器(TRNG)から出力される乱数の質をチェックするための、新しい回路の実装手法を提案するものです。

 TRNG は、乱数を物理現象から生成する回路のことで、次の出力が原理的に予測不可能であるという特徴をもち、セキュリティ用途に広く応用されています。同研究室でも FPGA とよばれる集積回路に適した TRNG をいくつか提案してきました。しかし TRNG には、出力される乱数の質が動作環境などにより変化する場合があるという欠点があります。これを補うには、乱数の質をその場でチェックする回路が求められます。

 これまでに提案されてきたチェック回路では、回路の小ささと、乱数の質の低下を検出する力の高さとを両立することはできませんでした。藤枝准教授は「本論文で提案した回路は、我々の知る限り、これらを両立する初めての回路です。豊橋技科大との共同研究で検討してきた、TRNGの品質保証・制御システムの核になる構成要素で、無事に良いものができたことにほっとしています。今後、提案した回路を組み込んだシステムの提案に向けて、研究を進めていきます」と話しています。

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