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建築社会システム研究室の鷲尾佳さんが日本建築学会大会学術講演会で若手優秀発表賞

2023.02.03 受賞・表彰
  • 若手優秀発表賞を受けた鷲尾 佳さん

 2022年度の日本建築学会大会(北海道)学術講演会で、大学院工学研究科博士前期課程1年の鷲尾 佳さんが行った発表が、建築計画部門の若手優秀発表賞を受賞しました。

 建築社会システム研究室(野澤英希建築学科准教授)に所属する鷲尾さんは、「まちの空間として新たに生まれた廃線跡地の活用方法から見た建築形態に影響を与える要因に関する研究 -名古屋鉄道三河線を事例として-」と題して発表しました。これは、人口の減少によって廃線となった鉄道跡地の利用用途の傾向とその後の影響、廃線跡地の活用方法によって跡地に隣接した建築形態や新築の戸建住宅(2004年以降に建てられたもの)の外観の変化を比較した研究です。

 豊田市・碧南市・西尾市の3市で異なる活用がされている名古屋鉄道三河線(2004年4月に廃線)の廃線跡地を研究対象地としています。研究では、鉄道の廃線によって住民の移動手段が変化することや、3市ごとに建築形態の変化の傾向が異なることを示しました。また、廃線跡地をレールパークに再整備した碧南市では、新築の戸建住宅で跡地側に庭の位置や窓の大きさ、フェンスの高さに変化が見られることを考察しました。研究を通して、鉄道の廃線は街に何かしらの影響を与え、跡地の活用方法次第で建築形態の変化に与える影響が異なるため、跡地の有効活用が街の景観を改善させ、「まちの価値の向上」へつながることを明らかにしました。

 「研究テーマや内容を決める際、仮説を証明する過程をどのように考えるかに苦労しました」と振り返る鷲尾さんは、受賞にあたって「研究テーマの決定から研究方法の選定、データの処理や文章の執筆に1年かけて取り組んだ成果が目に見える形で得られ、素直にうれしいです。今後は修士課程というステージに恥じない研究を行い、研究室の後輩たちの見本となれるように頑張っていきたいです」と意気込みを語っています。

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