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ビジュアル情報処理研究室の学生2人が情報処理学会全国大会で学生奨励賞

2023.03.15 受賞・表彰

 情報科学科のビジュアル情報処理研究室(澤野弘明准教授)に所属する学生2人が、情報処理学会第85回全国大会(3月2~4日・電気通信大学)の学生セッションで優秀な発表を行い、ともに学生奨励賞を受賞しました。

 受賞したのは、学部4年の森富稀さんと、学部2年の山口陽功さんです。

 森さんは「放送用バレーボール競技映像におけるアタッカー推定手法の提案」と題して発表しました。

 この研究では、放送用バレーボール映像を用いてアタッカーを推定します。アタッカーを推定するためには、まずバレーボール、選手、コートを検出する必要があります。バレーボールや選手の検出は機械学習を用いて行い、コートの検出は線幅に着目して行います。次に、検出結果からバレーボールがセンターライン上を通過する方向を検出し、攻撃チームを判定します。最後に、攻撃チームのアタッカーがオーバーハンドでアタック動作を行うことを特徴として、アタッカー推定を行います。攻撃チーム検出の評価実験の結果、正検出率は0.72、誤検出率は0.28となりました。アタッカー推定手法の評価実験の結果、適合率は0.89、再現率は0.84という結果が得られました。

 森さんは研究を振り返り、「研究中には進捗が遅れたり、実験結果が思わしくなかったりと多くの苦悩がありましたが、周りのサポートと自己意志力に支えられ、乗り越えることができました。この受賞で、今後の研究に自信を持って取り組み、さらなる成果を上げることができると考えています」と喜びを話しています。

山口さんは「指関節の距離と角度による指文字認識手法の検討」と題して発表しました。

研究では、指関節の距離と角度による手話の指文字の認識手法を検討しました。まずWebカメラから得られた画像から、骨格検出手法であるMediapipeで手を検出し、指関節の骨格座標を取得します。指関節の骨格座標を基に、教師あり機械学習モデルSVMで指文字の判別を行います。SVMの学習データには手首から手の指の先や隣り合う指同士などの距離と、手首や指の第二関節などを基準とした指関節の傾きの角度を用います。手の形を静止して表現する指文字41種類について、動画投稿サイトに投稿されている指文字学習用の動画を基に評価実験を行いました。正検出率が41文字中96%以上の文字が40、85%以上の文字が1という結果が得られました。

 受賞を受け、山口さんは「右も左も分からない状態から始まった研究が受賞として結果になったのは、泊まり込みで研究を進めた自身の努力や先輩方などからのアドバイスなどがあってこそだと思っています。受賞で得た経験や自信を糧にさらに成長し、成果を上げていきたいと考えています」と意気込みを語っています。

  • 「放送用バレーボール競技映像におけるアタッカー推定手法の提案」
  • 「指関節の距離と角度による指文字認識手法の検討」
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