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環境・設備研究室の学生たちが空気調和・衛生工学会中部支部学術研究発表会で受賞

2023.03.17 受賞・表彰

 3月15日に開催された空気調和・衛生工学会中部支部の第24回学術研究発表会で、ポスター発表を行った建築学科の環境・設備研究室(河路友也教授)の4年生3人が優秀ポスター賞を受賞しました。

 山口健太さん・鈴木瑛海さんのチームと熊田光里さんが、それぞれの研究テーマで受賞しました。

 山口さん・鈴木さんは、「人流・屋外気象・空調設備の運転が地下街の温熱・空気質環境に及ぼす影響について」と題して発表しました。

 省エネルギー化は、カーボンニュートラルの実現に必要な取り組みの一つで、さまざまな用途の建物でエネルギー消費量の削減が求められています。半室内空間である地下街は、地上の商業施設に比べ、エネルギー消費量が多い施設です。そのため、カーボンニュートラル達成に向けて地下街の省エネ化も必要となります。

 名古屋市のエスカ地下街を対象に、エネルギー消費量の現状や温湿度・空気質環境から、省エネルギー余地の有無を明らかにすることを目的に研究に取り組みました。測定・分析を行った結果、地下街内の温熱環境には侵入外気とACの吹出口温湿度の二点が大きな影響を与えていることが確認できました。省エネルギー化に向けては、冷水流量調整によるターボ冷凍機のエネルギー消費量削減の可能性を見出すことができました。

 熊田さんは、「水蓄熱式空調システムを利用した上げDR実施時の熱源運転時間決定手法検討」と題して発表しました。

 再生可能エネルギーの拡大により、供給が需要を上回る余剰電力が問題となっています。この対策として、昼間の電力需要を増加させるディマンドレスポンス(上げDR)がありますが、現状では上げDR発動日の熱源運転時間の決定方法は整備されていません。そこで本研究では、水蓄熱式空調システムを用いて、上げDR実施日の熱源運転時間帯決定手法の確立を目的に各種検討を実施しました。

 熱源運転時間を余剰電力が発生しやすい時間帯に移動し、再生可能エネルギーの有効活用を狙いました。上げDRが発動される日の熱源稼働必要時間帯・数の整理、上げDR協力に対するメリットを検証した結果、夜間の熱源稼働時間を削減し、上げDR発動時に熱源を稼働することで、余剰電力の活用に貢献できることがわかりました。

 受賞を受け、山口さんと鈴木さんは「現地調査は研究室のメンバーの協力がなければ実現できなかったことであり、大変感謝しています。卒業後は建築設備業界に貢献できるよう頑張ります」と話しています。熊田さんも「ポスターセッションのショートプレゼンでは、研究内容を短い時間でいかに分かりやすく伝えるかに苦労しましたが、その後の質疑応答も含め納得できる研究発表となりました。今回の経験を活かし、社会人としてこれからも努力して参ります」とやる気を見せています。

  • 山口健太さん・鈴木瑛海さん
  • 熊田光里さん
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