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メディア検索処理研究室の山本卓巳さんが電子情報通信学会東海支部令和4年度卒業研究発表会で最優秀賞

2023.06.22 受賞・表彰

 情報科学科を今春卒業した山本卓巳さんが、電子情報通信学会東海支部の令和4年度卒業研究発表会(3月1日・岐阜大学サテライトキャンパス)で行った発表により、最優秀賞を受賞しました。

 メディア検索処理研究室(森本正志教授)に所属した山本さんは、「YOLOを用いた視覚障害者向け現金管理支援手法の検討」と題して発表しました。

 同研究室では、人の役に立ち生活の質(QoL: Quality of Life)を高めるアプリケーションやサービスの研究に取り組んでいます。本研究では、視覚障害者にとって即座に識別することが難しい現金を対象として、複数の現金を撮影した画像から、その合計金額を算出する現金管理支援手法の検討を行いました。

 YOLO(You Only Look Once)と呼ばれるディープラーニング(深層学習)モデルを用い、紙幣の変形や硬貨との重なりがあっても、その数と種類を高速に推定できる手法の開発を行いました。5000枚以上の画像を用いたモデル学習と評価実験により、特に紙幣の変形に対し良好な結果を得ることができました。今後の課題としては、推定性能の向上や処理速度の高速化、アプリケーションの開発などが挙げられます。

 6月16日、表彰式に出席した山本さんは、「学習データとなる現金の写真の撮影や硬貨の検出漏れの対策に大変苦労しました」と振り返りつつ、「ここまでの成果を上げることができたのは、指導してくださった森本教授、研究室の仲間のおかげです。実用化を目指すのであれば、まだまだモデル性能の向上やテキストを音声で読み上げる機能などの課題があると思いますので、今後の後輩の研究に期待しています」と話しています。

  • 最優秀賞に輝いた山本さん
  • 利用イメージと処理の流れ
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