電気学会の2023年 電子・情報・システム部門大会(8月30日~9月2日・北海道科学大学および一部オンライン)で、大学院博士前期課程2年の細井雅人さんが優秀ポスター賞を受賞しました。
知的計測制御研究室(古橋秀夫 電気学科教授)に所属する細井さんは、「人体模倣型内骨格ロボットハンドの結合腱駆動」と題して発表しました。
ロボットハンドは、人間とのコミュニケーションを図り、協働しながら複雑な作業を行うことが求められています。そこで本研究室では、人体模倣型のロボットハンドを開発し、精度向上に関する研究に取り組んでいます。
一般的なロボットハンドの構造は、実際の人の構造とは異なっています。そこで、バイオミメティクス(人体模倣)技術より、解剖学的見地から人間の手と同じ腱構造を取り入れました。人間の第一関節を動かす浅指屈筋は第二関節にも作用する特徴をもっているため、同じ構造のロボットハンドでもワイヤ(腱)が複数の関節に作用して複雑な動きになります。そこで、関節の干渉を考慮した結合腱駆動を行い精度の向上を目指しました。
今回の発表では、ロボットハンドの第一関節と第二関節の干渉性の検証を行い、角度をそのまま制御した場合と腱の干渉を考慮して制御した場合の比較検証結果を報告しました。
受賞にあたり、細井さんは「ワイヤを張る強度のわずかな違いが干渉に複雑に影響してくるため、腱と関節の間の関係を求めることが難しかったですが、結果をしっかりと示すことができたのでよかったです。今後も結果を残せるように頑張っていきたいです。」と話しています。