2月18~19日に愛知県の日間賀島で開催された 第55回東海ファジィ研究会で、大学院工学研究科博士前期課程1年の小野田祐大さんが発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。
日本知能情報ファジィ学会東海支部が主催する東海ファジィ研究会は、ソフトコンピューティングに関する演題を広く募集して行われます。ロボット研究室(矢野良和電気学科准教授)に所属する小野田さんは「VR空間における仮想物体の距離感に対する理解能力の基礎調査」と題して発表しました。
自動運転車が注目されていますが、自律システムで対処できない場合には、人間の介入が必要となります。小野田さんらは、車両に搭載した複数カメラ映像を加工合成して遠隔操作者へ提供するシステムを研究しています。
車両の足元まで360°全周囲を確認できる映像を提供するため、車両の前後左右に広視野角の魚眼カメラを設置し、それらからVRによる没入映像を合成します。VR映像で安全に遠隔操作するためには、現実と整合した距離感が必要です。一方、VR空間では距離感が現実感覚と異なることが、さまざまな先行研究で示されていました。そこで、距離感の差異が遠隔操作に使えるレベルかを判断するため、VR空間上の物体の実距離と被験者が知覚した距離の差異を調査しました。
受賞にあたり、小野田さんは「研究成果をわかりやすく伝えられるよう、日ごろから努力してきました。今回の受賞は、その努力の積み重ねだと考えています。これを糧に、より一層精進していきたいと思います」と喜びを話しています。