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建築構造・材料研究室の遠山さんが学生優秀学術講演賞

2024.03.25 受賞・表彰

 建築学科の建築構造・材料研究室(山本貴正准教授)に所属する学部4年の遠山諒さん(愛知県立昭和高校出身)が、日本建築学会東海支部の学生優秀学術講演賞を受賞しました。この賞は、支部研究集会で講演した高専学生、大学学部生・大学院生のなかから優秀者を表彰するもので、受賞者数は全審査対象数の10%程度となっています。

 遠山さんは、2月に名古屋工業大学で開かれた支部研究集会で「木材の各種養生条件下の密度と縦圧縮特性の関係についての基礎研究」と題して発表しました。

 建築物の主要構造体の地震慣性力低減や木材利用促進のため、セメント硬化体内への木材配置の影響について研究されています。しかし、木材はペースト状のセメントと接触すると水分を吸収し、含水率が増加するため、強度特性が劣化します。そのため、セメント硬化体内で養生した木材の含水率と密度が全乾燥・気乾燥密度から推定可能か、また各種養生条件下での木材の縦圧縮特性と密度の関係を実験的に検討しました。その結果、セメント硬化体内で養生した木材の含水率は、養生前の密度と比較して大きくなる、またその密度は、全乾燥・気乾燥密度と有意な相関があること、さらに含水率が高くなることで、縦圧縮強度とヤング係数が低下することがわかりました。これら研究成果が、セメント硬化体を有する合成構造の軽量化や木材利用の取り組みに貢献すると期待されます。

 受賞にあたり、遠山さんは「先生のご指導や研究室の仲間の協力もあり、受賞できたことを光栄に思います。木材の膨大で細かなデータを収集することには多くの時間を要しましたが、それが今回の良い結果につながりました。この経験を糧に、今後も地道な努力を続けて成果を上げていきたいです」と受賞の喜びと今後の抱負を話してくれました。

 今回発表した内容は、国交省の令和5年度建設技術研究開発助成制度による研究成果です。

  • 賞状を手にする遠山さん
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