雷に残る謎を解明し、より安全で強固なエネルギー社会へ。
雷は、直撃すればエネルギーインフラ全体をも揺るがす力をもっています。しかし未解明の謎も多く、想定外の被害も発生しかねません。研究室では落雷観測・電流解析、フィールドワークとして観測装置の管理に取り組んでいます。雷が発生するメカニズムや影響を明らかにし、特に被害を受けやすい風力発電施設の落雷対策の発展へとつなげています。
専門分野は高電圧工学、建築電気設備工学、雷放電計測。研究を通じて、発電施設など社会インフラの機能保全に貢献する。
塗布によって作製できる次世代太陽電池の実現をめざして。
「有機薄膜太陽電池」「ペロブスカイト太陽電池」という次世代太陽電池の作製に取り組んでいます。どちらも現在主流のシリコン太陽電池と異なり、塗布によって作製できることが特徴。実現すればフィルムのような軽い素材に塗布し、室内の壁面や窓に貼って発電することも可能となります。その他、有機ELの研究や超撥水性膜の作製にも取り組んでいます。
専門分野は、有機エレクトロニクス、エネルギー変換、電気電子材料。研究を通じてカーボンニュートラルへの貢献をめざす。
次世代エネルギーの救世主 酸化物超電導技術を磨く。
瀬戸物の原料である酸化物は、つくり方しだいで電気をよく流す超電導体にもなります。そんな酸化物を高性能化できれば、超電導リニアのコスト低減、電動飛行機の実現、MRIなどの医療機器の低コスト化など、大きな夢が実現します。酸化物超電導技術は、次世代エネルギーの救世主になれるかもしれません。
酸化物高温超伝導体をはじめとした機能性酸化物材料の高性能化がテーマ。次世代素材の開発に意欲を燃やしている。
太陽光・風力発電が大量に導入される時代に向けて。
電気は、発電所、送電線、変電所などからなる大規模な電力システムを通じて供給されています。太陽光・風力発電の需要が高まっていますが、出力変動の激しい自然エネルギーを大量に電力システムにつなぎ、安定性を確保するには、さまざまな技術的課題があります。当研究室ではそれらの課題解決をめざした研究を推進しています。
専門分野は、電力工学、電力系統工学、電力システム工学。風力発電を電力システムにつなぐ技術のパイオニア的研究者。
より賢く、より人の役に立つロボット・知的システムを研究。
情報を取得するセンサ、情報処理・制御を行うコントローラ、動作を実現するアクチュエータという3つの機能を連動させ、より賢く、より人の役に立つロボットや知的システム構成を研究しています。自立移動ロボットをはじめとする知的システムの研究は、将来的に省人化の促進や生活の質の向上に寄与すると考えています。
専門分野は、知的制御システムやロボットの環境認識・行動制御。建築学科や情報科学科とのコラボにも積極的に取り組む。
小型ロボットの開発により、「卓上生産システム」の発展に貢献。
電気エネルギーで機械を制御する技術を活用した「精密に移動する小型ロボット」「振動によって浮上する小型ロボット」を開発しています。消費エネルギーが少なく済む小さな生産設備の開発などにつながる研究です。工場をテーブルサイズで、という考え方に基づいた「卓上生産システム」の発展に役立てることをめざしています。
専門分野は、メカトロニクス、マイクロテクノロジー、精密工学。「こんなことができたらいいな」が常に研究の出発点。
「海中ワイヤレス給電」を研究。深海探査ロボットへの貢献をめざす。
海中でケーブルを使わずに電力を供給する「海中ワイヤレス給電」の研究に取り組んでいます。海底資源や海底地震の研究で海に潜るときにはロボットが使用されますが、その連続稼働時間は10時間程度。そこで、海底に給電ステーションを設けてワイヤレス給電により充電し、探査時間を飛躍的に向上させることをめざしています。
専門分野は、電磁環境工学、高速信号伝送。どこでも電池を気にせず電子機器が使える「電力のユビキタス社会」実現が夢。
有機半導体デバイスで、SF映画のような未来の技術にチャレンジ。
スマートフォンや自動車に搭載されている半導体デバイスは、すでに私たちの生活になくてはならないものになりました。
現在では主にシリコンが半導体の材料として使われ、これを利用してさまざまな回路やデバイスがつくられています。
一方、有機化合物の中にも半導体の性質を示すものがあり、最近では有機ELディスプレーや照明など、有機デバイスが市場に出回っています。スプレー技術を用いて有機薄膜の製膜を行うことで、有機EL、有機薄膜太陽電池、有機トランジスタなどの有機デバイスをフレキシブル化、軽量化するための技術開発に取り組んでいます。
また実用化を目指して、企業との共同研究を行っています。
有機デバイスの技術が進化すると、丸めてポケットに入るスマートフォンや窓に貼って使用するペラペラの太陽電池も実現可能となります。
ハードルは高いですが、昨年度から研究室では、スマートコンタクトレンズの研究にも着手しました。
これはコンタクトレンズ上に有機デバイスを搭載しようという試みで、眼科用医療センサや可変型視力矯正用コンタクトレンズに応用できると考えています。
この技術がさらに進化すれば、瞬きをするだけで写真撮影ができるコンタクトレンズやスマートフォンと連携してさまざまなAR体験ができるコンタクトレンズも開発可能となり、SF映画のような時代がやってくるかもしれません。
想像を超えた未来をつくることができるのも、この研究の大きな魅力です。
再生可能エネルギーによる発電システム(太陽光発電、風力発電など)、スマート・マイクログリッドなどを中心に電力の生産、輸送、分配などに関して研究を行っている。
雷・風雨・太陽照射などの自然現象を考慮した電気エネルギーの有効な発生・輸送および制御方法、機器材料の高性能化の研究に取り組んでいる。
電気機器の高効率化や絶縁診断技術、省エネおよび環境適合材料技術など、電気機器・システムに共通した研究に取り組んでいる。
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学習用自律型ロボット、ハンズオンサイエンス教材の開発研究。また、それらを活用した創造教育による人材育成に取り組んでいる。
※1 2024年4月、防災土木工学専攻から専攻名称変更(届出済)
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