水とグリーンなプロセスによるセラミックスナノ結晶の創製
水とグリーンなプロセスにより,熱水中で高機能なセラミックスナノ結晶を創製する。
従来のセラミックスのように、高温(1000℃以上)で反応させたり,高温で焼き固めたりするのではなく,目的とするセラミックスを,グリーンなプロセスを用いて従来法より1000℃以上低い温度(200℃付近の水熱条件)で直接,ナノ結晶として合成する。すなわち,水と無機金属塩を用いるグリーンなプロセスおよび水熱反応を駆使し,結晶化学を基にして,チューナブルな蛍光特性・光触媒活性を有する光機能性のナノ結晶:光と色に関わる高機能フォトセラミックスを創製する。本研究のグリーンなプロセスでは,安全で取り扱いが容易,かつ低コストで安価な原料(水と無機金属塩)を使用し,中性~弱塩基性の安全な水溶液中で反応させ,温和な熱水条件下約200℃付近の低温・短時間で密閉された耐圧容器中(自然に発生する圧力下)で,目的とする制御された組成のナノ結晶を直接合成する(収率:ほぼ100%)。排出物は水と少量の副生成物:NH4Cl等の安全な(回収も可能な)アンモニウム塩のみで極めてクリーンかつ環境に優しく安全であることが特徴である。従来の固相反応法と比較すると,1000℃以上低い低温で合成できるという利点以上に,本法では水溶液中で原子・イオンレベルから結晶が形成されるため,均質性(イオンの分布状態)が極めて高いことも特徴。低いエネルギーの光を高いエネルギーの光に変換(アップコンバージョン)することができる結晶を合成する。
研究 リーダー |
工学部 応用化学科 教授 平野 正典 |
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研究 分野 |
セラミックス・無機材料合成 |