あらゆる「現場」における 価値の変換効率を貨幣価値で測定する
ものづくり会計・現場改善会計
~投下資本から回収資本までの「お金の良い流れ」~
組織に投下された資本(投下資本)は、組織内のさまざまなリソース(人・モノ・金・情報・その他)となり、それらが顧客価値(お客様にとっての価値)を生み出します。必要な時に、必要とする顧客に、必要とされるだけの(ジャストインタイムの)製品・サービス提供が実現すれば、それは当該企業の企業価値と持続可能性を高め、同時に、社会資源の持続可能性にも貢献します。
社会経済が、信用価値を含む貨幣価値に支えられていることを考えれば、組織内外における「価値の流れ」を貨幣価値(金額)で測定する会計理論・手法は、持続可能な資本循環を支える重要なインフラのひとつです。投下資本→企業内リソース→製品・サービス→顧客価値→回収資本という「お金の流れ」は淀みなく流れなければなりません。
トヨタ生産システム(TPS)に代表される生産性向上や改善活動は、インプットに対するアウトプットの割合、「正味率」の向上を目指します。正味率はいいかえれば、価値の流れにおける各所の変換効率のことです。これを貨幣価値で測定する手法が「現場改善会計(Gemba Kaizen Costing:GKC)であり、「お金の良い流れ」全体を意識して、広義のものづくり(製造業に限らない顧客価値の流れづくり)に適用する会計が「ものづくり会計」です。
研究 リーダー |
経営学部 経営学科 教授 柊 紫乃 |
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