省エネルギー・省資源・自然エネルギー利用を促進する有機合成化学
開殻有機分子を設計・合成し、その構造や物性を調べてSDGsに資する機能を開拓する
持続可能社会を実現するためには自然エネルギーの利用拡大が必須であり、そのためには大容量かつ高出力な蓄電・発電デバイスが必要である。現在普及しているリチウムイオン電池や燃料電池は希少金属元素を多く利用しており、高コスト、安全性、資源問題、電池性能の限界などの課題を抱えている。近年、その代替材料として有機物質を用いる研究が注目されており、個々の要素では優れた性能の物質・デバイスが達成されているが、全ての特性を兼ね備えた革新的材料は未だに報告されていない。
本研究では、我々がこれまで行ってきた縮合多環型開殻有機分子「開殻グラフェンフラグメント」の設計・合成・物性に関する学術的基礎をもとに、独自に開発した空気中でも安定な有機中性ラジカル「トリオキソトリアンギュレン(TOT)」を基盤としてSDGsに資する機能開拓を行なっている。これまでに、TOTを用いることで高容量・超高速充放電が可能な有機二次電池や、燃料電池の負極反応である酸素還元反応の電極触媒としての高い性能を実現してきた。また、TOTの自己集合体からなる近赤外光も利用する有機−無機ハイブリッド型太陽電池についても研究している。
研究 リーダー |
工学部 応用化学科 教授 森田 靖 工学部 応用化学科 教授 村田 剛志 |
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研究 メンバー |
工学部 応用化学科 教授 村田 剛志 |
研究 分野 |
物性有機化学・有機合成化学 |