地球や人に優しい特性の優れた水系ポリウレタンを生み出す
水系ポリウレタンの高性能化 ―カチオン系水系ポリウレタンの合成と物性―
近年、地球環境保護や人体への悪影響防止の観点から、溶剤系材料から水系材料へと代替が検討されており、表面コート剤や接着剤として用いられている水系ポリウレタン(WBPU)の研究や実用化が急ピッチで進められています。一般的には親水基として、アニオン系のものが用いられていますが、本研究ではカチオン系WBPUを検討しています。これまでの研究では、対イオンとして、酢酸を用いた場合は、微細で安定なディスパージョンを得られましたが、機械的物性が劣り、一方、塩酸を用いた場合は、優れた機械的物性を示しましたが、安定なディスパージョンが得られていませんでした。そこで新たに、イオン種を酢酸でディスパージョンを合成後、塩酸でイオン種交換する合成方法で、塩酸の濃度や置換量と機械的物性や貯蔵安定性の関係性について検討しました。その結果、pH4程度までの塩酸への置換で、ウレタン粒子の合一を防ぎ、機械的物性とディスパージョンの貯蔵安定性の両立が可能であることを見いだしました。
研究 リーダー |
工学部 応用化学科 特任教授 山田 英介 工学部 応用化学科 准教授 佐藤 暢也 |
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研究 分野 |
有機材料化学・高分子工業化学・接着・界面化学 |