食品ロスマネジメントの観点で需給システムを再検討し
偏在解消のメカニズムを解明する
質的調整による食品ロスマネジメントの進展と持続可能性の理論化
本研究の目的は、食品流通システムにおける需給調整の在り方について、食品ロスマネジメントにおける質的調整という側面からそれを再検討し、食の偏在を解消するメカニズムを解明することにある。質的調整とは、数量調整や価格調整に付随する、過剰在庫を振り分けるチャネルシフト、加工・販売方法などの変更、さらにはエシカル消費やフードバンク等への食品寄付までを包括的に説明する、事後的な需給調整という新しい概念である。
2019年に食品ロス削減推進法が成立し、国内流通システムの食品ロス削減の取り組みは本格化した。またCOVID-19対策による突発的な需給変動に対して、食品ロス削減を謳ったアウトレット販売や外食産業のテイクアウト対応、さらにはフードバンク利用などが進んだ。
本研究により、これらの新しい食品流通における需給調整のあり方が定式化され、食品ロス削減だけでなく、経営効率化、自然災害へのレジリエンス(強靭性)構築、貧困問題解決などを実現する持続的な食品流通システムを記述する包括的な理論が示される。
研究 リーダー |
経営学部 経営学科 教授 小林 富雄 |
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研究 分野 |
流通・マーケティング |