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住宅設計アイデアコンペで2年連続最優秀賞

2018.07.06 受賞・表彰

株式会社ウッドフレンズが主催する全国公募のデザインコンペ「第3回ウッドフレンズ住宅設計アイデアコンペ」学生の部で、建築学科4年の松本樹さん(安井秀夫教授の住・商空間デザイン研究室に所属)が作品「重層する家」により、昨年の第2回に続く2年連続で最優秀賞に輝きました。

 今回のコンペは「都市における小住宅」がテーマで、高齢世帯やDINKS(子供を持たない夫婦)などの小家族世帯が増えている中、都心回帰とゼロエネルギーを目指すライフスタイルはどうあるべきかを問いかけました。具体的には都市の狭小地に小住宅を設計し、同時にZEH(断熱性・省エネ性能の向上、創エネを行うことで年間の一次エネルギー量の収支をプラスマイナス0とする住宅)を実現することが課せられ、学生の部の応募総数は192点に達しました。

 課題に対し、松本さんはDINKSのライフスタイルを生活の質を求める「スローライフ」と効率を重視する「ファストライフ」の二面性があるものと定義。その二面性を、ロシアのマトリョーシカ人形のように入れ子状の重層する空間を構成することで建築に還元しました。DINKSのライフスタイルに呼応しながら、重層する空間が空気層となり断熱性を向上させる設計を行い、さらに重層する空間構成によって生じる温熱環境の諸問題を、小屋裏空間に設けた換気システムとルーバーとして扱う電動開閉式のソーラーパネルによって解消。同時に創エネを行うことでZEHの実現を計りました。「重層する家」という明快なコンセプトをロジカルに組み立てることで新たな都市住宅の在り方を示した作品となり、審査員から「入れ子状の安心感のある空間、光を取り入れた明るく気持ちのよい空間が都市に快適に住まう提案となっている」と高く評価されました。

 松本さんは、昨年の同コンペで名古屋市の円頓寺界隈を核とした「貯木場としての機能を果たす家」を提案、最優秀賞を受賞しています。来年は大学院に進学し、将来は東京のアトリエを経て独立を目指す考えだと言い「3年次の春休みに数多くの設計コンペに取り組み、一つ一つの設計期間が限られる中、本コンペ最優秀賞という確実な結果を残せたことに自身の成長を感じます」と喜びを話しています。

  • 最優秀賞の表彰を受けた松本樹さん(前列左から3人目)
  • 最優秀賞作品「重層する家」
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